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2019/06/04 08:56

神経質な値動きか、外部環境が不透明 無料記事

◆4日の香港マーケットは、外部環境の不透明感で神経質な値動きか。
 外部環境には依然として不透明感が漂う。昨夜の米株市場は主要指標のNYダウが前営業日比0.02%高と小反発したが、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は1.61%安と大幅続落した。NYダウは足元の下げが急ピッチだったこともあり、自律反発狙いの買いがみられたものの、上値の重さが目立つ(安く推移する場面もみられた)。が予想外に低下し、米景気の先行き不安が改めて強まった。大型ハイテク株の下げも重し。市場占有率の大きいアルファベット(グーグル)やフェイスブック、アマゾンなどに対し、「米連邦取引委員会(FTC)と司法省が反トラスト法(独占禁止法)違反の調査を準備している」と複数メディアが関係者の話として報じた。また、セントルイス連銀総裁が早期利下げについて言及するなか、米10年債利回りが一段と低下。景気後退の前兆とされる「逆イールド(長短金利の逆転)」の状態が2007年以来の水準に拡大した。
 一方、3日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.3%安と3日続落。米中対立の激化が警戒された。中国政府は2日、米中通商交渉に関する報告書を公表し、「協議中断の全責任は米国側にある」と非難。これに先立つ5月31日には、中国商務部が国内企業の権利を害する外国企業などを対象とした「信頼できない実体リスト」を作成する方針を明らかにしている。ただ、下値は限定的。証券トップの発言などを手がかりに、指数はプラス圏で推移する場面もみられた。中国証券監督管理委員会の易会満主席は2日、国内の株式市場は歴史的な割安水準にあるとの見解を示している。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。昨夜の米ハイテク株安や原油相場の下落基調(WTI原油相場は4日続落)が嫌気されそうだ。半面、米中貿易摩擦の激化による景気悪化を避けるため、中国当局がさらなる景気刺激策を打ち出すとの観測は引き続き相場の下支え要因として意識されよう。また、海外マネーの流入が復活したこともプラス。中国・香港間の相互取引スキームを通じた3日の売買では、香港経由の本土株売買が買い越しに転じた。


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