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2019/10/28 09:06

しっかりか、米中通商協議が前進 無料記事

◆週明け28日の香港マーケットは、米中通商協議の前進でしっかりとした値動きか。
 外部環境はポジティブ。先週末の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.6%高と反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.7%高と3日続伸した。機関投資家がベンチマークとして重要視するS&P500指数は0.4%高と3日続伸。今年7月に付けた史上最高値に接近した。米中通商協議の進展と企業決算の好調が相場を押し上げている。米中は通商問題で閣僚級の電話協議を25日に開催。米通商代表部(USTR)は同日、「第1段階」通商合意の部分成立に近づいていると発表した。建機のキャタピラーや事務用品のスリーエム(3M)など、中国関連とされる銘柄群に買いが広がっている。ピークを迎える主要企業の7〜9月期決算発表では、売上高と利益が予想を上回り、通期の売上高見通しを上方修正した半導体のインテルが8.1%高と急伸。ハイテク株全体の上昇をけん引した。
 一方、25日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.5%高と3日ぶりに反発。米中通商協議の進展期待と中国人民銀行(中央銀行)の資金供給スタンスが好感されている。人民銀はこの日、リバースレポを通じ300億人民元の資金を市場に供給した。資金供給は今週に入り5日連続。期日到来分との差し引きでは、週間で5600億人民元(約8兆6200億円)の供給超となった。
 米中協議を巡っては、中国商務部が26日、「一部の分野で実務的な調整が完了した」と発表した。また、近いうちに閣僚級の電話協議を再度行う方針も明らかにしている。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりとした展開か。上述したように、米中通商協議の前進が投資家心理を上向かせそうだ。ただ、9月の中国工業企業利益が引き続き前年割れとなったことや、21週連続で香港デモが行われたことはマイナス要因として意識される恐れもあろう。
 なお、今週は本土系企業の四半期決算発表がピークを迎える。本日(28日)は、青島ビール(168/HK)や万洲国際(288/HK)、馬鞍山鋼鉄(323/HK)、中国電信(728/HK)、中興通訊(763/HK)、中国神華能源(1088/HK)、中国中煤能源(1898/HK)、北京汽車(1958/HK)などが業績報告する予定だ。


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