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2019/05/24 09:02

売り先行か、世界経済の鈍化を警戒 無料記事

◆24日の香港マーケットは、世界景気の鈍化懸念で売られる展開か。
 外部環境はネガティブ。昨夜の米株市場は主要指標のNYダウが前日比1.1%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.6%安とそろって続落した。ナスダック指数は約2カ月ぶりの安値水準に低迷している。米中対立の激化を懸念した売りが続いた。ポンペオ米国務長官は23日、米政権がエンティティリスト(輸出を規制する外国企業リスト)に追加した中国通信機器メーカー大手の華為技術(ファーウェイ)について、「華為は中国政府や中国共産党と深いつながりを持っており、米国は情報漏えいのリスクにさらされている」と発言。また、中国商務部は「通商協議の継続を望むなら、米国は誠意をみせるべき」とコメントしている。世界景気の悪化も警戒。ドイツやユーロ圏で5月の製造業PMIが下振れたほか、米国の同PMIは前月から低下し、約10年ぶりの低水準に落ち込んだ。
 一方、23日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が1.4%安と続落。米国の「中国ハイテク包囲網」が広がりをみせるなか、企業業績の悪化が不安視されている。華為を巡っては、英半導体設計会社アームが取引を停止すると報じらた。日本や韓国など、他の取引先企業にもその動きが広がっている。また、同リストには杭州海康威視数字技術(002415/SZ)を含む中国5社が追加される可能性があるとも伝えられた。海外マネーの流出もマイナス。中国・香港間の相互取引スキームを通じた本土株売買では、依然として売り越しが続いている。
 こうしたなか、本日の香港・中国マーケットは売りが先行する可能性が高い。上述したように、世界景気の鈍化懸念が相場の重しとなりそうだ。国際通貨基金(IMF)は23日、米中貿易戦争が激化した場合、世界全体の経済成長率が前回予測(3.3%)から0.3ポイント下振れすると試算。金融危機以降で最低の水準を更新することになる。


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