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2019/11/15 08:45

神経質な値動きが継続か、米中協議と香港情勢を警戒 無料記事

◆15日の香港マーケットは、米中協議と香港情勢の不透明感が続く中で神経質な値動きが継続か。
 外部環境は不安定。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.01%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.04%安と小幅に下落した。うちNYダウは連日で過去最高値を更新した後とあり、目先の過熱感が高まる展開。米中通商協議の先行きを見極めたいとの思惑も強まった。
 米中通商協議を巡っては、中国商務部が14日、「第1段階」の合意に向けては「追加関税の一部撤回が重要な条件」との認識を示している。トランプ米大統領はこれに先立つ12日、「(中国と)合意に至らなければ、対中関税を大幅に引き上げる」と述べている。
 一方、14日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.2%高と小反発。この日発表された10月の経済指標が弱い内容となったことで、景気テコ入れ策への期待が高まった。ただ、前述のように米中貿易協議を巡る不透明感も根強く、指数はマイナス圏で推移する場面も見られた。
 香港情勢に関しては、14日も反政府抗議活動が続き、各地でデモ隊と警官隊の衝突が続いた。同日夜には、衝突の際に投石が当たったとみられる70歳男性が死亡したことが明らかとなっている(デモに関連したとみられる死者は、8日に死亡した男子大学生に続いて2人目)。抗議活動が激しさを増す中、外出や出勤、通学など市民の日常生活に影響が出ている状況だ。中国国営テレビの中国中央電視台(CCTV)によると、ブラジルを訪問中の習近平国家主席は香港情勢について、「暴力の停止と秩序の回復が喫緊の課題」と述べた。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは引き続き神経質な値動きとなろう。米中貿易協議や香港情勢への警戒感がくすぶりそうだ。また香港では、中国Eコマース最大手の阿里巴巴集団(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が香港での重複上場に向けて本日、一般投資家向けの公募を開始する。これに先立って始まった機関投資家向けロードショーでは、強い引き合いを得たとの情報が伝わっており、個人投資家の関心もIPO市場へと向かいそうだ。


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