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2019/10/31 09:03

しっかりか、米金融緩和の継続と米中通商協議の進展に期待感 無料記事

◆31日の香港マーケットは、米金融緩和の継続と米中通商協議の進展に対する期待感が相場を支える展開か。
 外部環境はややポジティブ。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.4%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.3%高とそろって反発。米金融緩和の継続期待が支えとなっている。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は今年3回目の利下げを決定した米連邦公開市場委員会(FOMC)後の声明で利下げ停止を表明したものの、利上げは検討していないと言明した。また、市場関係者の間では、来年1回の利下げが予想されている。
 米中通商協議を巡っては、「チリ・サンティアゴで11月16〜17日に開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)を舞台とした『第1段階』合意文書の署名は間に合わない可能性がある」と関係者の話として報じられていたが、「トランプ米大統領は署名を諦めていない」と伝わった。なお、チリは国内の社会不安を理由にAPEC開催を断念。ホワイトハウスの報道官は、開催が予定されていた会議と同時期の合意署名を目指すと説明した。また、中国外交部は30日、近くハイレベルでの通商協議を再開すると表明している。
 一方、30日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.5%安と続落。米中通商協議の楽観見通しがやや後退し、投資家心理を冷やした。主要企業の決算報告が進むなか、一部企業の業績不振がクローズアップされたこともマイナス材料となっている。7〜9月期決算の37%減益を嫌気し、不動産大手の金地集団(600383/SH)が5.0%下落。同業他社株にも売りが広がった。
 なお、本日は朝方(日本時間10時ごろ)に、10月の中国製造業PMI(国家統計局などが集計・発表)が公表される。事前のコンセンサス予想では、前回の49.8と同水準で着地するとの見込みだ。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりとした展開か。上述したように、米金融緩和の継続と米中通商協議の進展に対する期待感が追い風となろう。ただ、中国PMIの内容によっては、相場の波乱要因となる恐れもあるので注意が必要だ。


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