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2020/09/22 09:08

売り先行か、世界株安の連鎖を警戒 無料記事

◆22日の香港マーケットは、世界株安の連鎖が警戒される流れか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はネガティブ。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比1.8%安と3日続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.1%安と4日続落した(NYダウは約1カ月半ぶりの安値)。新型コロナウイルス感染拡大の警戒感が再燃する中、欧州市場の主要株価指数が軒並み急落したことを嫌気する(独DAXは4.4%安、英FTSE100は3.4%安、仏CAC40は3.7%安など)。英国の主席科学顧問らは21日、新型コロナウイルスについての緊急記者会見を開き、現状のままでは感染第2波により1日当たり新規感染者数が10月におよそ5万人に達すると警告。これを受けて、ジョンソン英首相は22日に緊急対策会議を開き、規制強化策を発表する予定だ。ロックダウン(封鎖措置)が再導入される可能性がある。欧州では感染者数が再び急増する状況で、フランスやスペインは感染拡大抑制のため制限措置を再び実施している。
 世界的な金融不祥事に対する懸念が強まったことも逆風。各国のメディアが日本時間21日未明に同時報道したところによれば、米財務省の「金融犯罪取締ネットワーク局」(フィンセン)が提出した文書により、世界有数の金融機関が長年にわたり、資金洗浄(マネーロンダリング)に関与していたことが判明した。関与の可能性が指摘されたJPモルガン・チェースは3%下落している。
 一方、21日の本土株市場は、主要指標の上海総合指数が0.6%安と反落。米中対立の激化が警戒された。中国商務部は19日、国内企業の権利を害する外国企業などを「信頼できない実体」としてリスト化し(中国版エンティティリスト)、取引を制限・禁止する制度を発表。即日で施行している。金融緩和強化に対する期待も後退。中国人民銀行(中央銀行)が朝方公表した銀行貸し出しの新たな指標となる最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」は、予想通り5カ月連続で据え置かれた。そのうえで、一部のアナリストは、預金準備率の追加引き下げなど、金融緩和策が一段と強化される可能性は小さいとみている。
 他方、ソフトウエア世界大手のオラクルと中国IT大手の北京字節跳動科技(バイトダンス)が合意したショート動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米事業新会社設立に関し、トランプ米大統領は暫定承認を撤回する可能性を示唆した。また、中国当局も承認しないとの観測が流れている。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは世界株安の流れを継ぎ、売りが先行しそうだ。上述したように、悪材料が重なっている。原油や非鉄の市況安も、関連銘柄にとっての売り材料となろう。


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