2019/05/17 09:00
上値の重い展開か、米中対立を警戒
◆17日の香港マーケットは、米中対立が不安視されるなかで上値の重い展開か。
外部環境は良好。昨夜の米株市場は主要指標のNYダウが前日比0.8%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.0%高とそろって3日続伸した。企業決算の好調が投資家のセンチメントを上向かせる。シスコシステムズが前日引け後に公表した2〜4月期決算は予想を上回る増収増益となり、5〜7月期の売上高見通しもアナリストの想定を上回った。ウォルマートが取引前に発表した2〜4月期の業績では1株利益が上振れし、国内既存店売上高が9年ぶりの高い伸びを記録している。堅調な経済指標も追い風。4月の米住宅着工件数は予想を上回る伸びを示し、米新規失業保険件数(週間)は予想以上に前週から減少した。ただ、ハイテク分野での米中対立はマイナス。米商務省は16日、中国通信機器メーカー大手の華為科技(ファーウェイ)とその関連会社68社を対象に、米国製品の輸出を事実上禁止する規制を同日付で正式に発効したと官報で報告した。華為と取引のある半導体関連などに売りが広がり、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は1.7%安と反落している。
一方、16日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.6%高と続伸。中国の景気テコ入れ策強化の期待が高まっている。4月の経済指標が予想以上に前月から減速した実態が15日に公表されるなか、景気の早期回復は難しいとの見方が広がったためだ。
こうしたなか、本日の香港・中国マーケットは全体として上値の重い展開か。中国の景気テコ入れ期待は高まっているものの、米中対立の懸念が根強い。また、ムニューシン米財務長官が「米交渉団は交渉を継続するため、近く北京入りする可能性が高い」と述べたことに関しては、中国商務部の報道官が16日、「米交渉団の訪中は確認していない」とコメントした。資金流出の警戒感もくすぶる。本土・香港間の株式相互取引を通じた16日の売買では、香港経由の本土株売買が再び売り越しに転じた。また、香港ドルの対米ドル相場は足元で、米ドルペッグ制に基づく許容変動幅(7.75〜7.85香港ドル)の安値下限で推移している。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境は良好。昨夜の米株市場は主要指標のNYダウが前日比0.8%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.0%高とそろって3日続伸した。企業決算の好調が投資家のセンチメントを上向かせる。シスコシステムズが前日引け後に公表した2〜4月期決算は予想を上回る増収増益となり、5〜7月期の売上高見通しもアナリストの想定を上回った。ウォルマートが取引前に発表した2〜4月期の業績では1株利益が上振れし、国内既存店売上高が9年ぶりの高い伸びを記録している。堅調な経済指標も追い風。4月の米住宅着工件数は予想を上回る伸びを示し、米新規失業保険件数(週間)は予想以上に前週から減少した。ただ、ハイテク分野での米中対立はマイナス。米商務省は16日、中国通信機器メーカー大手の華為科技(ファーウェイ)とその関連会社68社を対象に、米国製品の輸出を事実上禁止する規制を同日付で正式に発効したと官報で報告した。華為と取引のある半導体関連などに売りが広がり、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は1.7%安と反落している。
一方、16日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.6%高と続伸。中国の景気テコ入れ策強化の期待が高まっている。4月の経済指標が予想以上に前月から減速した実態が15日に公表されるなか、景気の早期回復は難しいとの見方が広がったためだ。
こうしたなか、本日の香港・中国マーケットは全体として上値の重い展開か。中国の景気テコ入れ期待は高まっているものの、米中対立の懸念が根強い。また、ムニューシン米財務長官が「米交渉団は交渉を継続するため、近く北京入りする可能性が高い」と述べたことに関しては、中国商務部の報道官が16日、「米交渉団の訪中は確認していない」とコメントした。資金流出の警戒感もくすぶる。本土・香港間の株式相互取引を通じた16日の売買では、香港経由の本土株売買が再び売り越しに転じた。また、香港ドルの対米ドル相場は足元で、米ドルペッグ制に基づく許容変動幅(7.75〜7.85香港ドル)の安値下限で推移している。
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