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2019/09/09 09:18

上値の重い展開か、好悪材料が入り混じる 無料記事

◆週明け9日の香港マーケットは、好悪材料が交錯するなかで上値の重い展開か
 外部環境に目立った手がかりはない。先週末の米株市場は主要指標のNYダウが前日比0.3%高と3日続伸する半面、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.2%安と3日ぶりに反落するなどまちまちの展開だった。公表された8月の米雇用統計では、非農業部門の雇用者数の伸びが予想を下回る一方、賃金の伸びは拡大。強弱が入り混じる内容となり、相場に与える影響は限定的となっている。「米連邦準備理事会(FRB)は9月に利下げする」との観測が相場を支えたものの、全体としては買いの勢いが弱かった。
 一方、中国国内にはプラス材料とマイナス材料がある。中国人民銀行(中央銀行)が預金準備率を引き下げたことは好材料だ。人民銀は6日夜、全ての銀行に対し、預金準備率を0.5ポイント引き下げると発表。また、一部の地方銀行に対しては、10月15日と11月15日の2回に分け、さらに合計1.0ポイント引き下げる。これらにより、市中銀行全体で9000億人民元の信金供給が可能になる見通しだ。半面、中国輸出の低迷はネガティブ。8日に発表された8月の中国貿易統計では、人民元ベースで輸出の伸びが前年同期比2.6%増にとどまり、市場予想(6.3%増)を大きく下回った。米中貿易戦争が激化するなか、米向け輸出の縮小が続いている。
 他方、香港情勢の不透明感は依然として続く状況。「逃亡犯条例」改正案の撤回が発表されて以降も反政府デモに収束はみられず、香港では8日も大規模な抗議デモが行われた。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。中国当局は景気テコ入れスタンスを強めているものの、景気の先行き不安は続いている。香港と中国の主要株価指数は8月以来の高値圏で推移していることもあり、利食い売り圧力も意識される状況だ。


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