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2019/10/30 09:11

上値の重い展開か、内外の経済イベントを前に様子見も 無料記事

◆30日の香港マーケットは、内外の経済イベントを前に上値の重い展開か。
 外部環境はやや不透明。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.1%安と3日ぶり、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.6%安と5日ぶりにそれぞれ反落した。主力ハイテク株の決算下振れで投資家心理が冷え込む。アルファベット(グーグル)が公表した7〜9月期決算では、純利益が前年同期から予想以上に減少し、同社株は2%超下落した。アップルやマイクロソフト、アマゾン・ドット・コムなど他のハイテク株にも売りが波及している。また、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を30日(日本時間31日未明)に控えていることも様子見ムードを強めさせた。FOMCでは3会合連続での「予防的な利下げ」決定が確実視されているが、利下げが今回で打ち止めになるとの見方も広がっている。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の声明が注目される状況だ。
 なお、米中通商協議を巡っては、米メディアが29日、チリで来月開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)での「第1段階」の合意文書署名が間に合わない可能性があると関係者の話として報じている。通商合意の楽観見通しが後退した。
 一方、29日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.9%安と3日ぶり反落。前日に急伸したハイテク株が利食い売りに押され、全体相場の重しとなった。また、流動性のひっ迫も意識される。中国人民銀行(中央銀行)はこの日の朝方、2日続けてリバースレポの実施を見送り、この日は過去に実施した分の満期到来で2500億人民元を市中から吸収した。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。内外で重要イベントが重なり、模様眺めのスタンスが漂いそうだ。31日には米国でFOMCの政策金利、中国で10月の製造業PMI、香港では7〜9月期のGDP速報値が公表される。香港のGDPについて香港政府トップの林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は29日、マイナス成長となる可能性を指摘。前日は香港市場の売り要因となった。
 なお、香港では主要企業の決算発表が終盤に入っている。本日は、馬鞍山鋼鉄(323/HK)や中国石油化工(386/HK)、中国中鉄(390/HK)、ASMパシフィック・テクノロジー(522/HK)、中国国際航空(753/HK)、中国石油天然気(857/HK)、中国建設銀行(939/HK)、大唐国際発電(991/HK)、中国南方航空(1055/HK)、中遠海運能源運輸(1138/HK)、中聯重科(1157/HK)、中国鉄建(1186/HK)、新華人寿保険(1336/HK)、中国冶金科工(1618/HK)、中国中車(1766/HK)、中国交通建設(1800/HK)、中国広核電力(1816/HK)、中遠海運HD(1919/HK)、イ柴動力(2338/HK)、中銀香港(2388/HK)、中国太平洋保険(集団)(2601/HK)、中遠海運発展(2866/HK)、中海油田服務(2883/HK)、招商銀行(3968/HK)、中国銀行(3988/HK)、中信証券(6030/HK)、海通証券(6837/HK)などが四半期業績を報告する予定だ。


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