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2020/09/03 09:01

しっかりか、世界株高の流れが支えに 無料記事

◆3日の香港マーケットは、世界株高の流れを継いでしっかりとした展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は安定的。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比1.6%高と続伸し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.0%高と4日続伸した。ナスダック指数は史上最高値を連日で更新している。米景気の回復基調を好感した買いが続いた。2日公表された8月の製造業景況感指数(PMI)は予想以上に上向き、2018年11月以来の高水準に達している。また、緩慢ながら雇用情勢の回復が続いていることもプラス。8月のADP全米雇用リポートでは、(政府部門を除く)非農業部門の雇用者数が予想ほど伸びなかったものの、前月からは増加した。また、7月分の増加数は上方修正されている。投資家のリスク選好が続き、出遅れ物色の動きが強まった。このところ上昇が目立っていたアップルやテスラなどは売られたものの、化学のダウや建機のキャタピラーなど「オールドエコノミー」の銘柄群に買いが目立っている。世界景気の回復期待が高まるなかで、欧州市場の主要株価指数も軒並み上昇した(独DAXは2.1%高、英FTSE100は1.4%高、仏CAC40は1.9%高など)。
 一方、2日の本土株市場は、主要指標の上海総合指数が0.2%安と小反落。中国銀行業の業績懸念が改めて重しとなった。主要行が公表した中間決算では、貸倒引当金の急増や不良債権比率の悪化が明らかになっている。新型コロナウイルス流行で経済ダメージを受けるなか、政府が中小企業向け融資の返済猶予を指示するなど、企業救済に動いていることも各行にとって逆風だ。最大手行の中国工商銀行(601398/SH)は0.8%安と下げ、約2カ月ぶりの安値水準に沈んでいる。ただ、下値は限定的。景況感の改善を支えに、指数はプラス圏で推移する場面もみられた。また、中国の重要会議、第19期中央委員会第5回全体会議(5中全会)の開催が来月10月に予定されるなか、政策で恩恵を受ける銘柄群を物色する動きも強まっている。中国共産党中央政治局が夏に開いた会議では、外需取り込みよりも内需振興を優先する「双循環」という新たな経済成長モデルが提起された。 
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりとした展開か。中国の不良債権問題は根深いものの、ひとまずは世界株高の流れを継ぎそうだ。
 なお本日は取引時間中に(日本時間10時45分ごろ)、8月の財新・中国非製造業PMI(民間集計)が公表される予定。事前の市場コンセンサス予想では、前月の54.1から53.9にやや低下する見込みだ。


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