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2019/05/20 08:59

神経質な値動きか、米中対立と通貨安が逆風に 無料記事

◆週明け20日の香港マーケットは、米中対立と通貨安が嫌気される展開か。
 外部環境はややネガティブ。先週末の米株市場は主要指標のNYダウが前日比0.4%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.0%安とそろって4日ぶりに反落した。米中通商協議の先行き不透明感が重し。中国国営メディアは17日、「最近のトランプ米大統領には誠意がほとんど感じられず、中国は米国との協議継続について、今は関心がないだろう」とする論説記事を掲載した。また、米CNBCは、「米中の貿易協議は行き詰まった模様」と報じている。キャタピラーやスリーエム(3M)など、中国関連とされる銘柄群に売りが膨らんだ。このほか、米農機メーカーのディアが発表した第2四半期決算では、5四半期連続で利益が下振れ。米中貿易摩擦により農機販売が低迷する恐れがあるとし、通期業績の見通しを下方修正した。同社株は7.7%安と急落している。ただ、指数はプラス圏で推移する場面もあった。5月ミシガン大消費者信頼感指数(速報値)は予想に反して前月から上昇し、約15年ぶりの高い水準を記録。米景気の先行きが楽観された。
 一方、17日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が2.5%安と3日ぶりに大幅反落。米中対立の激化が不安視されたほか、人民元安の進行も懸念された。中国人民銀行(中央銀行)はこの日、人民元の対米ドル基準値を7日連続で元安方向に設定。上海外国為替市場では元安が進行し、足元では昨年11月以来の安値水準に落ち込んでいる。
 こうしたなか、本日の香港・中国マーケットは全体として神経質な値動きか。上述したように、米中貿易問題の混迷化が投資家心理の重荷となりそうだ。香港ドルの対米ドル相場が依然として、米ドルペッグ制に基づく許容変動幅(7.75〜7.85香港ドル)の安値下限で推移していることや、人民元安の進行も逆風となろう。


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