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2020/06/18 09:15

売り先行か、中国の政策期待で下値は限定 無料記事

◆18日の香港マーケットは、新型コロナウイルス感染再拡大を警戒して売り先行も、中国の経済対策に対する期待感で下値は限定的か。
 外部環境はやや不透明。昨夜の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.7%安と4日ぶりに反落する半面、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.2%高と4日続伸しまちまちだった。「トランプ政権は景気テコ入れ策として、1兆米ドルのインフラ整備支出を検討している」と報じられるなど政策支援の動きは好感されるものの、新型コロナウイルス感染の再拡大が投資家の慎重スタンスを強めさせている。テキサス州やフロリダ州では、新型コロナ感染症の入院患者が増加傾向を示していると伝わった。また、中国の北京市で感染者が再び増加に転じたほか、ドイツでは今週、食肉包装工場で600人以上が感染したと報告されている。
 一方、17日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が0.1%高と小幅ながら続伸。中国の政策に対する期待感が相場を支えた。米国や日本など各国が大規模な金融緩和策を打ち出すなか、中国では6月末〜7月初にかけて、預金準備率などが再び引き下げられる――との観測が浮上。北京市の新型コロナウイルス感染再拡大などを嫌気して売られたものの、下値は堅く、指数は引けにかけて再びプラスに転じた。
 中国の政策を巡っては、国務院の常務会議が17日開かれ、「金融緩和を一段と推し進め、潤沢な流動性を維持する方針」を確認した。国営メディアの報道によれば、「より低い貸出金利の設定」と「融資返済の繰り延べ」などのため、今年見込んでいた利益のうち、1兆5000億人民元相当が減少することを受け入れるよう金融機関に求める。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として下値の固い展開か。新型コロナ感染拡大「第2波」の懸念が重しとなる一方、中国の政策期待は支えだ。上述した金融機関に対する申し入れは銀行各社にとって逆風だが、経済全体にとってはプラス材料となろう。
 なお本日は、中国の電子商取引(Eコマース)大手、京東集団(JDドットコム:9618/HK)が香港メインボードに新規上場する。前日のグレーマーケット(上場前の相対取引)では、公募価格比5.93%高の239.40香港ドルで取引を終えた。ADR上場する米株市場では1.69%高と続伸し、上場来高値を更新している。


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