/ 詳細
検索 (期間指定)
期間
亜州リサーチFacebook公式ページ 亜州リサーチYoutube公式チャンネル

2019/07/22 08:56

方向感を欠く展開か、好悪材料が入り混じる 無料記事

◆週明け22日の香港マーケットは、好悪材料が入り混じるなかで方向感を欠く展開か。
 外部環境はややネガティブ。先週末の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.3%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.7%安とそろって反落した。米大幅利下げの期待が後退。ロイター通信は19日、「セントルイス地区連銀のブラード総裁は、月末の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%を超える利下げは必要ないとの見解を示した」と報じた。また、ボストン連銀のローゼングレン総裁は19日のメディアインタビューで、「利下げを急ぐ必要はない」と発言している。市場で0.5%の利下げ観測が広まっていただけに、投資家の失望を誘った格好だ。また、「ホルムズ海峡で19日、英国のタンカーがイランの精鋭部隊に拿捕された」と伝わったことも地政学リスクへの警戒感を高めている。
 一方、19日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.8%高と4日ぶり反発。緩和的な政策が打ち出されるとの観測が広がっている。足元では、韓国やインド、マレーシア、フィリピン、ニュージーランド、オーストラリアが政策金利を相次ぎ引き下げた。米中通商協議の進展期待も浮上。米通商代表部(USTR)の報道官によれば、米中両国の高官は18日に電話協議したという。詳細は明らかにされていないものの、ムニューシン米財務長官はこれより先、「電話会議の結果次第で対面協議は再開される」との見方を示していた。
 米中貿易問題に関しては、中国国営メディアが21日、「一部の中国企業は米農産品の輸入準備に入っている」と報道。トランプ米大統領はこれ以前に、「中国は農産品の購入を約束したのに、守られていない」と不満を漏らしていた。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは好悪材料が入り混じるなかで方向感を欠く展開か。米大幅利下げの期待感が後退したことがマイナスとなる一方、米中貿易協議の進展期待が強まったことはプラスだ。また、本土では本日、ハイテク・スタートアップ企業向け株式市場「科創板」が取引開始される。好調な滑り出しとなった場合、投資家のセンチメントが上向く可能性もあろう。


内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース同じカテゴリーのニュース