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2019/09/03 08:53

売り先行か、米中通商交渉の難航観測が逆風 無料記事

◆3日の香港マーケットは、米中通商交渉の難航観測を嫌気して売られる展開か。
 外部環境はネガティブ。昨夜の米株市場はレーバーデーの祝日で通常取引は休場だったが、時間外取引の主要株価指数は軒並み急落した。米中貿易問題の不透明感が嫌気されている。米メディアは2日、「米中の政府高官は、9月に予定する閣僚級通商協議の日程調整で難航している」と報じた。中国商務部は2日、トランプ米政権が1日付で約1100億米ドル相当の中国製品に対する追加関税を発動したことに関し、世界貿易機関(WTO)に提訴すると発表。両国の対立は激化する一方だ。
 一方、2日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が1.3%高と4日ぶり反発。中国の景気支援策が期待されている。中国国務院は1日、インフラ開発プロジェクトなどを通じ、景気をテコ入れする方針を打ち出した。8月31日に発表された8月の中国製造業PMIは、前月実績(49.7)と市場予想(49.6)を下回る49.5という結果。景況判断の境目となる50を4カ月連続で割り込むなか、当局が一段の景気刺激策を打ち出すとの思惑が強まった。
 ただ、人民元安の進行には歯止めがかからない。中国人民銀行(中央銀行)は2日、人民元の対米ドル基準値を5営業日連続で元安方向に設定した。上海外国為替市場では元安が急速に進み、およそ11年半ぶりの水準を連日で更新している。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として苦戦を強いられよう。中国の景気テコ入れ策はプラス材料となるものの、上述したように米中通商交渉の不透明感が投資家心理の重しだ。また、人民銀が午前(日本時間10時15分ごろ)に発表する人民元基準値にも注意したい。


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