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2019/09/11 09:06

しっかりか、米中通商協議の進展期待が支えに 無料記事

◆11日の香港マーケットは、米中通商協議の進展期待を支えにしっかりとした展開か。
 外部環境は安定的。昨夜の米株市場は主要指標のNYダウが前日比0.3%高と5日続伸し、約1カ月半ぶりの高値水準で取引を終えた(ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.04%安と小幅に3日続落)。通商問題を巡る米中の歩み寄りが期待されている。香港の英字紙は10日、「中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)に対する輸出規制の緩和などを条件に、米国産の農産物を購入する方針」と伝えた。さらに、ファーウェイは10日、米政府に対する訴訟の一部を取り下げたと発表している。また、トランプ米大統領は10日、外交政策が強硬的なボルトン大統領補佐官を解任。一部では、米中交渉が進むとの思惑も浮上している。中国関連とされる建機のキャタピラーや化学品のダウ、半導体関連などに買いが継続した。ただ、全体としては上値が重い。欧州中央銀行(ECB)の理事会を12日に控え、金融政策の動向を見極めたいとするスタンスが強まっている。また、NYダウは直近の上昇で今年7月16日に付けた史上最高値に接近していることもあり、利食い売り圧力も意識された。
 一方、10日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.1%安と7日ぶりに反落。中国の金融緩和スタンスなどを支えに買いが先行したものの、指数は直近の上昇ピッチが速かったこともあり、ほどなく目先の利益を確定する動きが優勢となった。ただ、相場を崩すような売りはみられない。海外マネーの流入を背景に、市場活性化の期待が広がっている。中国・香港間の相互取引スキームを通じた売買では、香港経由の本土株売買が9日まで8営業日連続の大幅買い越しだった(10日も買い越し)。証券株は連日で動意付いている。
 このほか、資本市場の対外開放が進んだこともプラス。中国国家外為管理局(SAFE)は10日、「適格海外機関投資家(QFII)」制度と、域外で調達した人民元を利用する「人民元適格海外機関投資家(RQFII)」の投資枠を撤廃すると発表した。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりか。上述したように、米中通商協議の進展期待が相場を支えそうだ。ただ、中国経済の減速懸念や香港情勢の不透明感などマイナス材料がくすぶっているだけに、上値を買い進む動きは限定的となる可能性もあろう。


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