2019/09/30 09:14
神経質な値動きか、米中対立激化を警戒
◆週明け30日の香港マーケットは、米中対立の激化を警戒して神経質な値動きか。
外部環境はネガティブ。先週末の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.3%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.1%安とそろって続落した。米中対立の激化を警戒。複数の米メディアが27日、「米政権は中国企業への投資制限を検討している」と伝えた。報道によれば、米国上場の中国企業に対する年金基金による投資の制限、中国企業の米預託証券(ADR)の上場廃止などが検討されているという(ADRの上場廃止検討は米財務省が否定)。米市場にADR上場する阿里巴巴集団(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE)や京東商城(JD/NASDAQ)などが急落した。金融市場の混乱も危惧される状況だ。
一方、27日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.1%高と3日ぶり反発。景気テコ入れ期待が強まった。朝方公表された低調な経済指標を受け、当局が追加の刺激策を打ち出すとの観測が流れている。8月の工業企業利益は、増減率が前年同月比2.0%のマイナスに転じた(7月はプラス2.6%)。エコノミストの一部は、「中国人民銀行(中央銀行)や政府機関は、経済刺激策を強化するだろう」との見方を示している。人民銀は27日夜、金融政策についての発表資料をウエブサイトに掲載し、実質金利を引き下げていく方針を明らかにした。
香港情勢を巡っては、反政府デモに収束の兆しがみられない。普通選挙の実施などを含む「五大要求」を掲げ、29日には1万人を超えるデモ行進がおこなわれた。一部の参加者は暴徒化し、政府庁舎に火炎瓶を投げ込むなど、警官隊と激しく衝突している。10月1日の中国国慶節(建国70週年)にあわせ、抗議行動が激しさを増すとの懸念も高まる状況だ。
なお、本日は朝方(日本時間10時ごろ)に、9月の中国製造業PMI(国家統計局などが集計・発表)が公表される。事前のコンセンサス予想では、前回の49.5から49.6に小幅ながら改善するとみられている。
こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。中国の景気テコ入れスタンスは根強いものの、米中対立の警戒感が相場の足かせとなろう。また、香港市場はあす10月1日、本土市場は1〜7日が国慶節により休場となる。様子見ムードも強まりそうだ。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境はネガティブ。先週末の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.3%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.1%安とそろって続落した。米中対立の激化を警戒。複数の米メディアが27日、「米政権は中国企業への投資制限を検討している」と伝えた。報道によれば、米国上場の中国企業に対する年金基金による投資の制限、中国企業の米預託証券(ADR)の上場廃止などが検討されているという(ADRの上場廃止検討は米財務省が否定)。米市場にADR上場する阿里巴巴集団(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE)や京東商城(JD/NASDAQ)などが急落した。金融市場の混乱も危惧される状況だ。
一方、27日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.1%高と3日ぶり反発。景気テコ入れ期待が強まった。朝方公表された低調な経済指標を受け、当局が追加の刺激策を打ち出すとの観測が流れている。8月の工業企業利益は、増減率が前年同月比2.0%のマイナスに転じた(7月はプラス2.6%)。エコノミストの一部は、「中国人民銀行(中央銀行)や政府機関は、経済刺激策を強化するだろう」との見方を示している。人民銀は27日夜、金融政策についての発表資料をウエブサイトに掲載し、実質金利を引き下げていく方針を明らかにした。
香港情勢を巡っては、反政府デモに収束の兆しがみられない。普通選挙の実施などを含む「五大要求」を掲げ、29日には1万人を超えるデモ行進がおこなわれた。一部の参加者は暴徒化し、政府庁舎に火炎瓶を投げ込むなど、警官隊と激しく衝突している。10月1日の中国国慶節(建国70週年)にあわせ、抗議行動が激しさを増すとの懸念も高まる状況だ。
なお、本日は朝方(日本時間10時ごろ)に、9月の中国製造業PMI(国家統計局などが集計・発表)が公表される。事前のコンセンサス予想では、前回の49.5から49.6に小幅ながら改善するとみられている。
こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。中国の景気テコ入れスタンスは根強いものの、米中対立の警戒感が相場の足かせとなろう。また、香港市場はあす10月1日、本土市場は1〜7日が国慶節により休場となる。様子見ムードも強まりそうだ。
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