2025/03/27 08:57
神経質な値動きか、好悪材料が入り混じる 
◆27日の香港マーケットは、好悪材料が入り混じる中で神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
外部環境はネガティブだ。トランプ米大統領は26日、全ての輸入自動車に一律25%の関税を課すと発表。強硬な高関税政策で、世界のサプライチェーン(供給網)混乱や、報復措置による関税の応酬が警戒され、世界経済を下押すとの不安も強まる状況だ。米株価指数先物は日本時間早朝の取引で、主要指数が軒並み下げている。
26日の米株市場は、トランプ米政権の関税政策が不安視され、主要指標のNYダウが前日比0.3%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が2.0%安とそろって4日ぶりに反落した。機関投資家がベンチマークとして重視するS&P500指数は1.1%下落している。国際金融グループのバークレイズは26日付のレポートで、S&P500指数の年末予想を6600→5900に下方修正した。米高関税政策を米経済の鈍化につながると指摘している。個別では、半導体大手のエヌビディアが5.7%安。英メディアは25日、中国が先端半導体使用のエネルギー効率規制を強化し、エヌビディア製品の販売を規制する可能性があると報じた。
半面、中国銘柄はしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.7%高と7日ぶりに反発した。主要な香港との重複上場銘柄では、理想汽車(リ・オート:LI/NASDAQ、2015/HK)が2.4%高、百度(バイドゥ:BIDU/NASDAQ、9888/HK)が2.2%高、万国数拠HD(GDS/NASDAQ、9698/HK)が1.2%高と上げが目立っている。
米債券市場では、米10年債利回りが上昇(債券価格は反落)。米高関税政策がインフレを進行させると警戒された。
商品相場は、WTI原油先物が0.9%高と反発する一方、金先物が0.1%安と反落した。ロンドン金属取引所(LME)では、銅やアルミなど主要産品が概ね値下がりしている。
内部環境はそれほど悪くない。「トランプ関税」などによる中国景気の鈍化懸念が強まる中、政府は景気支援策を強めるとの観測が高まっている。中国人民銀行(中央銀行)の政策顧問で北京大学の黄益平・教授は26日、中国経済を刺激するための政策余地は非常に大きいとしたうえで、消費押し上げには改革の実行が必要だとの認識を示した。先ごろの中国人民代表大会(全人代、国会に相当)では、景気の下支えに向けて「より積極的な」財政政策と「適度に緩和的な」金融政策を実施することを決定している。また、海外の投資銀行はこのところ、相次いで中国のGDP成長率見通しを上方修正。中国株マーケットの強気スタンスも示している。
なお、香港では主要企業の期末決算報告が終盤を迎えつつある。きょう27日は江西銅業(358/HK)や北京首都国際機場(694/HK)、碧桂園服務HD(6098/HK)、華虹半導体(1347/HK)、中国通信服務(552/HK)、中国国際海運集装箱(2039/HK)、中国海洋石油(883/HK)、創維集団(751/HK)、中国国際航空(753/HK)、中国鉄建(1186/HK)、中国建材(3323/HK)、李寧(2331/HK)、中国人民保険集団(1339/HK)、中国人民財産保険(2328/HK)、中国郵政儲蓄銀行(1658/HK)、中芯国際集成電路製造(981/HK)、イ柴動力(2338/HK)、永利澳門(1128/HK)、27日は江西銅業(358/HK)や碧桂園服務HD(6098/HK)、華虹半導体(1347/HK)、中国国際海運集装箱(2039/HK)、中国海洋石油(883/HK)、創維集団(751/HK)、中国国際航空(753/HK)、中国鉄建(1186/HK)、中国建材(3323/HK)、李寧(2331/HK)、中国人民保険集団(1339/HK)、中国人民財産保険(2328/HK)、中国郵政儲蓄銀行(1658/HK)、中芯国際集成電路製造(981/HK)、イ柴動力(2338/HK)、永利澳門(1128/HK)、中国交通建設(1800/HK)などが予定されている。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。好材料と悪材料が交錯している。中国の政策に対する期待感が支えとなる一方、米高関税政策の警戒感が重しだ。ただ、米高関税の懸念がやや薄らぐ可能性もある。トランプ氏は26日、北京字節跳動科技(バイトダンス)が提供するショート動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国事業売却などに関連し、取引を成立させるため対中関税をやや引き下げる可能性があると述べた。
なお前日引け後に発表された通期決算では、中銀香港(2388/HK)が17%増益、中国人寿保険(チャイナライフ:2628/HK)が132%増益、中国アルミ(チャルコ:2600/HK)が85%増益でそれぞれ予想を上回っている。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境はネガティブだ。トランプ米大統領は26日、全ての輸入自動車に一律25%の関税を課すと発表。強硬な高関税政策で、世界のサプライチェーン(供給網)混乱や、報復措置による関税の応酬が警戒され、世界経済を下押すとの不安も強まる状況だ。米株価指数先物は日本時間早朝の取引で、主要指数が軒並み下げている。
26日の米株市場は、トランプ米政権の関税政策が不安視され、主要指標のNYダウが前日比0.3%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が2.0%安とそろって4日ぶりに反落した。機関投資家がベンチマークとして重視するS&P500指数は1.1%下落している。国際金融グループのバークレイズは26日付のレポートで、S&P500指数の年末予想を6600→5900に下方修正した。米高関税政策を米経済の鈍化につながると指摘している。個別では、半導体大手のエヌビディアが5.7%安。英メディアは25日、中国が先端半導体使用のエネルギー効率規制を強化し、エヌビディア製品の販売を規制する可能性があると報じた。
半面、中国銘柄はしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.7%高と7日ぶりに反発した。主要な香港との重複上場銘柄では、理想汽車(リ・オート:LI/NASDAQ、2015/HK)が2.4%高、百度(バイドゥ:BIDU/NASDAQ、9888/HK)が2.2%高、万国数拠HD(GDS/NASDAQ、9698/HK)が1.2%高と上げが目立っている。
米債券市場では、米10年債利回りが上昇(債券価格は反落)。米高関税政策がインフレを進行させると警戒された。
商品相場は、WTI原油先物が0.9%高と反発する一方、金先物が0.1%安と反落した。ロンドン金属取引所(LME)では、銅やアルミなど主要産品が概ね値下がりしている。
内部環境はそれほど悪くない。「トランプ関税」などによる中国景気の鈍化懸念が強まる中、政府は景気支援策を強めるとの観測が高まっている。中国人民銀行(中央銀行)の政策顧問で北京大学の黄益平・教授は26日、中国経済を刺激するための政策余地は非常に大きいとしたうえで、消費押し上げには改革の実行が必要だとの認識を示した。先ごろの中国人民代表大会(全人代、国会に相当)では、景気の下支えに向けて「より積極的な」財政政策と「適度に緩和的な」金融政策を実施することを決定している。また、海外の投資銀行はこのところ、相次いで中国のGDP成長率見通しを上方修正。中国株マーケットの強気スタンスも示している。
なお、香港では主要企業の期末決算報告が終盤を迎えつつある。きょう27日は江西銅業(358/HK)や北京首都国際機場(694/HK)、碧桂園服務HD(6098/HK)、華虹半導体(1347/HK)、中国通信服務(552/HK)、中国国際海運集装箱(2039/HK)、中国海洋石油(883/HK)、創維集団(751/HK)、中国国際航空(753/HK)、中国鉄建(1186/HK)、中国建材(3323/HK)、李寧(2331/HK)、中国人民保険集団(1339/HK)、中国人民財産保険(2328/HK)、中国郵政儲蓄銀行(1658/HK)、中芯国際集成電路製造(981/HK)、イ柴動力(2338/HK)、永利澳門(1128/HK)、27日は江西銅業(358/HK)や碧桂園服務HD(6098/HK)、華虹半導体(1347/HK)、中国国際海運集装箱(2039/HK)、中国海洋石油(883/HK)、創維集団(751/HK)、中国国際航空(753/HK)、中国鉄建(1186/HK)、中国建材(3323/HK)、李寧(2331/HK)、中国人民保険集団(1339/HK)、中国人民財産保険(2328/HK)、中国郵政儲蓄銀行(1658/HK)、中芯国際集成電路製造(981/HK)、イ柴動力(2338/HK)、永利澳門(1128/HK)、中国交通建設(1800/HK)などが予定されている。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。好材料と悪材料が交錯している。中国の政策に対する期待感が支えとなる一方、米高関税政策の警戒感が重しだ。ただ、米高関税の懸念がやや薄らぐ可能性もある。トランプ氏は26日、北京字節跳動科技(バイトダンス)が提供するショート動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国事業売却などに関連し、取引を成立させるため対中関税をやや引き下げる可能性があると述べた。
なお前日引け後に発表された通期決算では、中銀香港(2388/HK)が17%増益、中国人寿保険(チャイナライフ:2628/HK)が132%増益、中国アルミ(チャルコ:2600/HK)が85%増益でそれぞれ予想を上回っている。
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