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2019/07/17 08:58

売り先行か、米中貿易摩擦の長期化を警戒 無料記事

◆17日の香港マーケットは、米中貿易摩擦の長期化懸念で売られる流れか。
 外部環境は不透明。昨夜の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.1%安と5日ぶり、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.4%安と3日ぶりにそれぞれ反落した。トランプ米大統領の発言が逆風。大統領は16日、中国との通商合意には時間がかかるとして、「必要なら中国製品3250億米ドル相当に追加の関税をかけることができる」と述べている。これより先、6月29日の米中首脳会談で「中国は米農産品の購入で合意した」とトランプ氏が強調したことに対し、中国系政府メディアは「確定事項ではない」と報じていた。
 一方、16日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.2%安と4日ぶり反落。新規の買い材料に乏しく方向感を欠く展開だった。中国指標の発表など目先の重要イベントが通過するなか、市場の注目は企業業績の動向に移っている。15日に公表された中国経済指標では、小売売上高など6月の月次統計が大幅に改善する一方、第2四半期(4〜6月)GDP成長率は予想通りとはいえ前四半期から減速したことが明らかになった。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として苦戦を強いられそうだ。上述したように、米中通商摩擦の長期化懸念がネガティブ材料となる。足元ではムニューシン米財務長官が15日、「週内に予定している閣僚級の電話協議で生産的な話し合いが行われた場合、米代表団は訪中し直接会談に臨む可能性がある」と発言していただけに、トランプ大統領の発言が協議の進展期待に水を差した格好だ。ただ、中国の政策に対する期待感は根強い。李克強首相は16日の声明で、上期の経済指標には一部で改善傾向がみられたものの、中国経済を取り巻く環境は厳しいものがあり、「必要に応じて政策を調整する」と強調した。政策支援の期待できる銘柄群を物色する動きはみられよう。


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