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2019/12/11 09:18

方向感を欠く展開か、好悪材料が入り混じる 無料記事

◆11日の香港マーケットは、好材料と悪材料の綱引きで方向感を欠く展開か。
 外部環境はやや不透明。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.1%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数も0.1%安とそろって続落した。米中通商協議の先行きに対する見方が交錯し、投資家のセンチメントを重くしている。米メディアは10日、「米中の交渉担当者は、米国の対中関税『第4弾』の発動見送りを根回ししている」と報じた。他方、国家経済会議(NEC)のクドロー委員長は「対中関税の先送りは確認できていない」として、15日の関税発動を「依然として検討中」と述べている。また、クドロー氏は、交渉が最終段階で膠着していることを認める発言もした。米欧の重要イベントも引き続き気がかり材料だ。米国では、11日(日本時間12日未明)に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を予定。欧州では、12日に欧州中央銀行(ECB)の政策金利発表、EU離脱を争点にした英国総選挙を控えている。
 一方、10日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.1%高と4日続伸し、約3週ぶりの高値水準を回復。中国景気の先行きが楽観された。政府系シンクタンクの中国社会科学院は9日に経済白書を発表し、中国の国内総生産(GDP)成長率が2020年に6.0%前後を維持するとの見通しを示している。足元では、20年の中国経済が「6%割れ」するとのレポートが複数出ていただけに、過度な減速懸念が後退した格好だ。政策期待も強まる状況。来年の経済政策目標を決める「中央経済工作会議」が10日スタートしたと伝えられた。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは好悪材料が入り混じるなかで方向感を欠く展開か。中国の経済政策に対する期待感は高まっているものの、米中通商協議の不透明感が重しだ。交渉を巡るヘッドラインに注目が集まろう。


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