/ 詳細
検索 (期間指定)
期間
亜州リサーチFacebook公式ページ 亜州リサーチYoutube公式チャンネル

2020/09/08 08:48

海外株高で買い先行か、米中対立の警戒感で上値の重さも 無料記事

◆8日の香港マーケットは、海外株高で買い先行も、米中対立の警戒感で上値は限定的か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は安定的。昨夜の米株市場は、レーバーデーで休場だったが、場が開いていた欧州市場は主要株価指数が軒並み上昇した(独DAXは前営業日比2.0%高、英FTSE100は2.4%高、仏CAC40は1.8%高など)。また、ロンドン金属取引所(LME)では、アルミニウムや銅など主要産品が軒並み上昇している。新型コロナワクチン開発を巡るポジティブニュースが流れるなか、投資家のリスク選好スタンスが強まった。グローベックスのダウ先物は、日本時間8日朝方、小高く推移している。
 一方、7日の本土株市場は、主要指標の上海総合指数が1.9%安と4日続落(約5週ぶりの安値水準)。米中対立激化の警戒感が高まった。外電は5日、トランプ政権が安全保障上の問題があるとして、ICファウンドリ中国最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK、688981/SH)をブラックリスト(取引制限企業リスト)に加えることを検討中――と政府関係者の話として伝えている。輸出入統計の内容も総じてネガティブ。取引時間中に公表された8月の中国貿易統計では、人民元建ての輸出が11.6%増(予想は12.4%増)、輸入が0.5%減(同6.1%増)という結果だった。輸入が予想外のマイナスに落ち込むなか、中国内需の持ち直し期待がやや後退している。
 米中関係を巡っては、トランプ米大統領が7日、中国から雇用を取り戻すため、米国との経済関係を制限する意向だと発言。デカップリング(経済など各種関係の分断)に改めて言及したことで、経済分野での対立も一段と強まりそうだ。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは海外株高を好感し買い先行しそうだが、全体としては上値も重そうだ。米中対立の激化懸念が引き続きネガティブ材料として意識されよう。


内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース同じカテゴリーのニュース