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2019/06/24 09:01

上値の重い展開か、米中貿易問題に不透明感 無料記事

◆週明け24日の香港マーケットは、米中貿易問題の不透明感が重しとなる流れか。
 外部環境はややネガティブ。先週末の米株市場は主要指標のNYダウが前日比0.3%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.2%安とそろって5日ぶりに反落した。米中貿易問題を巡る不透明感が逆風。米商務省は21日、スーパーコンピューター世界大手の曙光信息産業(中科曙光:603019/SH)など中国企業・団体5社を「エンティティ・リスト」(米国からの輸出を規制する対象リスト)に追加することを明らかにした。中国通信機器メーカーの華為技術(ファーウェイ)に続くもので、米半導体企業にも悪影響が及ぶとみられている。大手のアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は3%安と急落。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は0.7%安となり、他の指数をアンダーパフォームした。早期の米利下げ観測などを手がかりに買い先行したものの、指数は引けにかけて値を崩している。
 一方、21日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.5%高と5日続伸。海外マネーの流入がプラスだ。中国・香港間の相互取引スキームを通じた売買は今週に入り、香港経由の本土株売買が大幅な買い越しで推移している。英FTSEラッセルが近く、エマージング・インデックスに中国A株を段階的に組み入れる予定となっていることも改めて意識された。また、テクノロジーなど新興企業株で構成される深セン創業板指数が1.7%高と大幅続伸したことも、小型株を好むとされる個人投資家のセンチメントを上向かせている。企業再編を通じた創業板への「裏口上場」を認める方向で、証券当局は検討に入った――との観測が流れた。
 他方、米中貿易問題を巡っては、今月28〜29日に大阪で開催される20カ国・地域(G20)首脳会議に習近平国家主席が参加するとの声明を中国外交部が発表したが、米中首脳会談については触れていない。また、中国共産党系メディア・環球時報の胡錫進編集長は21日、「米国が関税を維持するなら、中国は合意しない」と短文投稿サイトで述べた。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。米中首脳会談に対する期待感はあるものの、依然として不透明感も漂う状況だ。投資家の様子見スタンスが強まろう。


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