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2020/02/21 09:04

上値の重い展開か、新型肺炎の拡大を警戒 無料記事

◆21日の香港マーケットは、新型肺炎を巡る警戒感で上値の重い展開か。
 外部環境はやや不透明。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.4%安と反落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.7%安と4日ぶりに反落した。中国以外の国・地域で、新型コロナウイルス感染による肺炎患者の増加ペースが加速するなか、経済活動の下押し圧力が強まると改めて懸念されている。また、ゴールドマン・サックスは最新リポートで、「投資家は新型コロナウイルスが企業業績に与える影響を過小評価している」とし、株式相場の調整リスクを指摘した。ただ、下値は限定的。米景気の先行き楽観を背景に、指数は引けにかけて下げ幅を縮小している。2月のニューヨーク連銀製造業景況指数が昨年5月以来の高水準を記録したことに続き、同月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は市場予想を大幅に上回った。
 一方、20日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が1.8%高の3030.15ポイントと大幅反発。心理的節目の3000ポイントを回復し、約1カ月ぶりの高値水準を切り上げている。当局が一段の金融緩和策を講じるとの見方が浮上し、金利の先安感が広がった。朝方公表された2月分の最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」(事実上の貸出基準金利)は、1年物が4.15→4.05%、5年物が4.80→4.75%に引き下げられた。習近平指導部が掲げるGDP成長率の目標を達成させるためには、LPR引き下げだけでは不十分とする声も上がっている。
 新型コロナウイルス肺炎を巡っては、湖北省政府が20日、企業の休業措置を3月10日まで再延長(3度目)すると発表した。それ以外の地域では工場再開が進んでいるものの、移動制限などもあり、完全回復には時間がかかるとみられている。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。中国の金融緩和期待は支えになるものの、景気悪化の警戒感が投資家の慎重スタンスを強めさせよう。


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