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2019/09/27 09:17

方向感を欠く展開か、好悪材料が入り混じる 無料記事

◆27日の香港マーケットは、米中貿易問題を巡る好悪材料が入り混じる中で方向感を欠く展開か。
 外部環境はネガティブ。昨夜の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.3%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.6%安とそろって反落した。米政治の混迷化を警戒。下院情報特別委員会は26日、「ホワイトハウス関係者がトランプ米大統領の不正行為を隠ぺいした」とする内部告発状を公開した。トランプ氏には、「職権を乱用し、野党バイデン元副大統領の捜査を行うようウクライナの首脳に圧力をかけた」疑いがあるという。弾劾調査が進めば、政策運営にも支障が出ると不安視された。
 米中貿易問題に関しては、好悪材料が入り混じる状況。中国の王毅・外交部部長が26日、「中国は米国製品の購入拡大をする用意がある」、「米政権が中国製品への関税を一部免除した事には善意を感じる」と発言したことはプラスだ。半面、中国通信機器メーカーの華為技術(ファーウェイ)に対する米製品の輸出禁止措置の一時的な猶予に関し、米商務省が延長する可能性は低いと報じられたことはマイナス材料となる。
 一方、26日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.9%安と続落。約3週ぶりの安値水準を切り下げた。米中対立の警戒感がくすぶっている。米議会上下両院の外交委員会が25日、香港の自治を守る「香港人権・民主主義法案」を全会一致でそれぞれ可決したことが不安視された。「内政への粗暴な干渉だ」と批判し、中国側は猛反発している。
 香港情勢を巡っては、林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官が26日夜、市民との対話集会を初めて開いた。市民の要望に長官は応じる気配がなく、議論は平行線で終わっている。会場周辺では、主要な民主団体による抗議行動が行われた。
 なお、本日は朝方(日本時間10時半ごろ)に、中国で8月の工業企業利益が発表される。また、週明け30日には、9月の中国製造業PMI(国家統計局などが集計・発表)が公表される予定だ。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として方向感を欠く展開か。上述したように、米中貿易問題を巡っては、好悪材料が入り混じる状況。米中関係に関するニュースフローに一喜一憂する流れが続きそうだ。また、本土市場は国慶節連休で10月1〜7日に休場となる。これに先立ち、本土市場を通じた香港株売買スキーム「港股通」は本日27日から10月7日まで停止される形だ。様子見ムードが強まるなかで、積極的な売買が手控えられる可能性もあろう。


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