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2019/08/09 08:56

神経質な値動きか、米中貿易問題に不透明感 無料記事

◆9日の香港マーケットは、米中貿易問題の不透明感で神経質な値動きか。
 外部環境はひとまず良好。昨夜の米株市場は主要指標のNYダウが前日比1.4%高と反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が2.2%高と3日続伸した。世界景気の減速懸念がやや薄らぐ。中国の7月輸出入統計では、米ドル建て輸出が予想外に増加している。原油や非鉄など主要商品が上昇し、関連銘柄に買いが入った。
 ただ、米中通商摩擦の警戒感はくすぶる。一部の米メディアが日本時間9日早朝、「ホワイトハウスは中国が米農産品の購入を停止したことに対抗し、米国企業と華為技術(ファーウェイ)との取引許可の決定を先送りしている」と関係者の話として報じた。エンティティリスト(米国からの輸出を規制する対象企業)に指定されているファーウェイを巡っては、「トランプ米大統領が暫定的な販売許可を与えることに同意した」と7月下旬に伝えられている。
 一方、8日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.9%高と7日ぶりに反発。急速な人民元安進行への懸念がやや後退する。中国人民銀行(中央銀行)は朝方、人民元レートの対米ドル基準値を7.0039人民元(約11年ぶりの元安水準)に設定したものの、元安レベルは想定内に収まったとの見方が市場に広がった。中国貿易の改善もプラス。取引時間中に公表された今年7月の中国貿易統計では、輸出と輸入がそろって予想を上回った。
 なお、本日は7月の中国物価統計が公表される予定(日本時間午前10時半ごろ)。市場コンセンサスでは、消費者物価指数(CPI)が前年同月比プラス2.7%(前月は同2.7%)、生産者物価指数(PPI)がマイナス0.1%(前月は横ばい)で着地するとの見込みだ。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。米株や商品の上昇は追い風となるものの、米中貿易問題の不透明感が重しとなる。また、人民元動向も気がかり材料だ。外国為替市場(オフショア)では朝方、対米ドルの人民元が再び元安方向で推移している。人民銀が午前(日本時間10時15分ごろ)に発表する人民元基準値に注目が集まろう。一段の人民元安を容認するような設定となれば、投資家のリスク回避スタンスが改めて強まる恐れがある。


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