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2019/07/03 08:52

上値の重い展開か、原油安が逆風 無料記事

◆3日の香港マーケットは、原油安が重しとなる展開か。
 外部環境は良好。昨夜の米株市場では主要指標のNYダウが前日比0.3%高と3日続伸し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.2%高と5日続伸した。NYダウは約9カ月ぶりに史上最高値を更新。機関投資家がベンチマークとして重要視するS&P500種指数は4日続伸し、連日で過去最高値を切り上げた。世界的な金融緩和期待が追い風。欧州連合(EU)は2日、金融緩和に前向きとされる国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事を欧州中央銀行(ECB)の次期総裁に指名した。中国では李克強首相が2日、大連で開催中の夏季ダボス会議で演説し、中小企業の資金調達コストを低下させるため、預金準備率や実質金利を引き下げることが必要との考えを示している。また、米国では7月の金融会合で利下げが実施されることが確実視される状況だ。
 ただ、原油相場の急落は気がかり。主要産油国の減産継続などを手がかりに昨夜のWTI原油先物は買いが先行したものの、終値では4.8%安と急反落。世界経済の減速懸念がくすぶるなかで、需要の先細りが警戒された。
 一方、2日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.03%安と小反落。前日に急伸した反動で、ひとまず売りが先行する流れとなった(前日の上海総合指数は2.2%高と急反発し、約2カ月ぶりの高値水準を切り上げていた)。もっとも、下値は限定的。米中両国が貿易戦争の休戦で合意し、通商協議の進展期待が高まっている。指数はプラス圏に浮上する場面もみられた。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。上述したように、原油安がマイナス材料だ。時価総額の大きいエネルギー株が売られた場合、全体相場の足かせになる。また、米中貿易摩擦の懸念後退や世界的な金融緩和期待はプラスとなるものの、いったん好材料の出尽くし感が強まる恐れもあろう。


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