/ 詳細
検索 (期間指定)
期間
亜州リサーチFacebook公式ページ 亜州リサーチYoutube公式チャンネル

2019/08/16 08:59

下値の固い展開か、中国の政策に期待感 無料記事

◆16日の香港マーケットは、中国の政策期待で下値の固い展開か。
 外部環境には不透明感がくすぶる。昨夜の米株市場は主要指標のNYダウが前日比0.4%高と反発したものの、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.1%安と続落した。NYダウは前日に800米ドル超下げたこともあり、自律反発狙いの買いが入る。7月の米小売売上高が予想を上回ったことや、小売大手ウォルマートの好決算も相場を下支えした。一方、米金利の低下基調は続き、景気の先行き懸念は続いている。この日は米30年債利回りが過去最低を記録し、10年債利回りはおよそ3年ぶりの水準に低下した。米中貿易摩擦の警戒感も再燃。中国国務院の関税当局が15日、米国が中国製の輸入品3000億米ドル相当に10%の追加関税を課す制裁措置を公告したことに関し、「相応の対抗措置を取らざるを得ない」との声明を発表した。トランプ政権は13日、一部品目の追加関税を先送りする方針を示していただけに、投資家に不安が広がっている。ただ、トランプ大統領は15日、「中国の習近平国家主席と貿易問題で電話協議をする予定」と記者団に語った。また、貿易戦争はかなり短期に収束するとの見方も示している。
 一方、15日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.3%高と続伸。中国の景気下支え策が期待された。中国人民銀行(中央銀行)は15日、中期貸出制度(MLF)を通じ4000億人民元の資金を市中に供給。一部のエコノミストは、「人民銀が景気支援に柔軟であることを裏付けた」と指摘している。過度な人民元安の警戒感も後退。人民銀は15日朝方、人民元の対米ドル基準値を2日続けて元高方向に設定した。
 香港情勢に関しては、香港政府が15日夕方、191億香港ドル規模の景気対策を発表した。反政府抗議行動の激化により、域内経済のプラス成長が難しくなるとの見通しも示している。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として下値の固い展開か。米金利の低下など不安要素はあるものの、中国の政策期待が相場を下支えしそうだ。また、香港では主要企業の中間決算報告が本格化している。業績動向を手がかりにした物色もみられよう。本日は、華潤ビールHD(291/HK)や首創置業(2868/HK)、重慶農村商業銀行(3618/HK)、週明け19日は四環医薬HD集団(460/HK)や石薬集団(1093/HK)、山東新華製薬(719/HK)などが決算発表する予定だ。また、昨日引け後に決算報告した銘柄では、中国平安保険(2318/HK)が68%増益、青島ビール(168/HK)が25%増益、永利澳門(ウィン・マカオ:1128/HK)が7%減益、京信通信系統HD(コムバ・テレコムシステムズ:2342/HK)が利益4倍などとなっている。


内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース同じカテゴリーのニュース