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2019/11/04 09:15

下値の固い展開か、米中協議の進展に期待感 無料記事

◆週明け4日の香港マーケットは、米中通商協議の進展期待で下値の固い展開か。
 外部環境はポジティブ。先週末の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比1.1%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数も1.1%高とそろって反発した。NYダウは約3カ月ぶりの高値を回復し、ナスダック指数は史上最高値を更新している。米雇用統計の内容を好感。10月の米雇用統計では、非農業部門の雇用者数が予想以上に増加し、8月分と9月分が上方修正された。平均時給の伸びが続いたことで、個人消費が堅調に推移するとの見方が広がっている。米中通商協議の不透明感もやや後退。クドロー米国家経済会議(NEC)委員長は1日、通商合意「第1段階」の文書署名のため、米中は首脳会談を行うことで調整していると述べた。建機のキャタピラーや事務用品のスリーエム(3M)など、中国関連とされる銘柄群の上げが目立っている。
 米中通商協議を巡っては、中国商務部が2日、米中の通商交渉担当者は1日夜に電話会談し、貿易問題で「原則合意」に達したことを明らかにした。
 一方、1日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が1.0%高と4日ぶりに反発。海外マネーの流入が意識された。株価指数を開発・算出するMSCIは今月、グローバル株価指数のA株組み入れ比率を再度引き上げる。中国・香港間の相互取引スキームを通じた売買では、香港経由の本土株売買が前日まで6営業日連続の大幅買い越しだった。10月の純流入額は320億人民元を超えたことが判明している。
 ただ、香港情勢は依然として不透明だ。2日には香港の区議会(地方議会)選挙の民主派候補が無許可の集会を開き、過激化した一部参加者が警官隊と激しく衝突した。香港メディアによれば、候補者のうち3名が拘束されたという。また、中国国営・新華社通信の香港支社が放火されたとも伝わった。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として下値の固い展開となろう。香港情勢の社会不安はマイナス材料だが、米中協議の進展期待が相場を支えよう。先週末の米株高や原油相場の上昇もプラスだ(WTI原油先物は5日ぶりに急反発)。


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