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2020/09/07 08:55

上値の重い展開か、内外に不安材料 無料記事

◆週明け7日の香港マーケットは、内外の不安材料で上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は不安定。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.6%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.3%安とそろって続落した。景気回復の期待感で下げ渋る場面がみられたものの、米追加経済対策の期待感後退が相場の重しとなっている。ペンス米副大統領は4日、政府機関閉鎖を回避するための暫定予算で政権と議会が合意したと発表。これにより、大規模な追加経済対策の審議は先送りされたとの観測が広がっている。市場では、暫定予算案と追加経済対策法案は統一されるとの声が上がっていた。他方、この日公表された8月の米雇用統計では、失業率が前月から予想以上に低下。雇用環境が回復しつつあるとの見方で、景気敏感株などは物色された。なお、7日の米市場はレーバーデーで休場となる。
 一方、4日の本土株市場は、主要指標の上海総合指数が0.9%安と3日続落。米国やインドなどとの対立激化や、中国の不良債権問題が引き続きネガティブ材料となっている。また、この日の香港を含むアジア市場の主要株価指数が軒並み下げていることも嫌気された。
 米中対立の警戒感が再燃している。ポンペオ米国務長官は2日、米国に滞在する中国の外交官に対し、規制を強化すると発表した。国境問題を抱えるインドとの対立激化も懸念材料。インド政府は2日、国家安全保障を理由に中国製モバイルアプリ118種の使用を禁止すると発表した。また、2日に開催された国務院(内閣に相当)常務会議で、李克強首相が「穏健な金融政策を継続する」としたうえで、一段の金融緩和には踏み切らない姿勢を示したこともマイナス材料視されている。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。米中で経済回復の期待が高まっていることはプラス材料となるものの、米中関係の不透明感が依然としてくすぶっていることはマイナスだ。トランプ政権は4日、安全保障上の問題があるとして、ICファウンドリー中国最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)をブラックリスト(取引制限企業リスト)に加えることを検討中――と政府関係者の話として伝わった。このほか、香港の社会不安も再燃。香港では6日、再び大規模な反政府デモが発生し、報道によれば、参加者のうち数百人が逮捕されている。
 なお本日は、先ごろ発表されたハンセン指数の構成銘柄入れ替えが発効する。新規に採用されるのは、小米集団(シャオミ・コーポレーション:1810/HK)、薬明生物技術(ウーシーバイオロジック:2269/HK)、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)の3銘柄。一方、信和置業(サイノランド:83/HK)、中国旺旺HD(ワン・ワン・チャイナ・ホールディングス:151/HK)、中国神華能源(チャイナ・シェンファ・エナジー:1088/HK)は除外される。


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