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2019/09/05 08:59

しっかりか、香港情勢の安定化と中国の金融緩和に期待感 無料記事

◆5日の香港マーケットは、香港情勢の安定化と中国の金融緩和の期待が相場を支える展開か。
 外部環境はポジティブ。昨夜の米株市場は主要指標のNYダウが前日比0.9%高と反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.3%高と3日ぶりに反発した。海外発のリスク要因がひとまず後退。香港では「逃亡犯条例」改正案が撤回され、反対派の3カ月にわたるデモ行動が収束に向かうと期待された。欧州では、英下院が「欧州連合(EU)からの離脱延期を政府に義務付ける法案」を可決。合意なき離脱が回避されるとの見方が高まった。また、米10年債利回りが上昇し、米2年差利回りとの「逆イールド」(長短金利の逆転)が解消されたこともプラス。逆イールドは景気後退の前兆とみなされている。
 一方、4日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.9%高と3日続伸。終値では、約2カ月ぶりの高値水準を回復している。景気支援策を期待した買いが続く。米中貿易摩擦の長期化による景気減速懸念がくすぶるなか、中国当局は一段の景気テコ入れ策を打ち出すとの思惑が高まっている状況だ。金融緩和の期待も浮上。現地メディアは4日、「資金流動性を高めるため、人民銀は中期貸出制度(MLF)の金利を9月中に引き下げる可能性がある」とアナリストの話を引用して報じた。
 中国国務院は4日夜、景気支援のため、「時宜を得た方法」による預金準備率の引き下げを求めるとの見解を明らかにした。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりとした展開か。香港情勢の安定化や、中国の金融緩和に対する期待が相場を支えよう。ただ、昨日の香港市場ではハンセン指数が一時4.4%高と急伸。終値の上昇率(3.9%)でも今年最大を記録するなか、目先の利益を確定する動きが出ることには注意したい。また、香港政府が「逃亡犯条例」改正案を撤回したことについて反対派は、「時期が遅すぎた」「全ての要求に答えていない」などと批判。抗議行動を継続する方針を表明したことも不安材料だ。


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