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2019/08/20 09:05

上値の重い展開か、米中対立の警戒感くすぶる 無料記事

◆20日の香港マーケットは、米中対立の警戒感で上値の重い展開か。
 外部環境は安定している。昨夜の米株市場は主要指標のNYダウが前営業日比1.0%高と3日続伸し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.4%高と続伸した。世界景気の過度な減速懸念が薄らぐなかで、投資家のセンチメントも上向いている。中国は貸出金利の低下を誘導する措置を発表し、ドイツは財政政策の舵を拡大方向に切る可能性を示唆。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が23日の講演で、金融緩和策を強化するとの思惑も高まった。
 米中関係に関しては、中国通信機器メーカーの華為技術(ファーウェイ)を巡る不透明感がくすぶる状況。米商務省は19日、米企業にファーウェイとの一部取引を認める措置を延長すると発表したが、トランプ米大統領が6月末に示唆した同措置の緩和は認めなかった。そのうえで、ファーウェイの関連会社46社をエンティティリスト(米国からの輸出を規制する対象企業)に追加している。
 一方、19日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が2.1%高と大幅に4日続伸。中国の景気対策が期待されている。中国人民銀行(中央銀行)は17日、企業の借り入れコスト低減を狙い、新たなローンプライムレート(貸出優遇金利)を導入すると発表した。また、国家発展改革委員会はこれに先立つ16日、消費拡大のため、制度改革などを通じて可処分所得を増加させると表明している。
 香港情勢を巡っては、ペンス米副大統領が19日、大規模な民主派デモを武力で抑えることのないよう中国側をけん制する発言をした。混乱収束に向けた今後の対応次第では、米中対立の火種になる恐れもある。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。世界的な景気下支え策に対する期待感は追い風となるものの、上述したように、米中対立の警戒感も意識される状況だ。目先は、業績動向に着目した物色となろう。香港では本日、華潤置地(1109/HK)や万科企業(2202/HK)、龍源電力集団(916/HK)、中国郵政儲蓄銀行(1658/HK)、小米集団(1810/HK)、金山軟件(3888/HK)、あす21日は、吉利汽車HD(175/HK)や比亜迪(1211/HK)、恒基兆業地産(12/HK)、東亜銀行(23/HK)、中国広核電力(1816/HK)、中海油田服務(2883/HK)、雅居楽集団HD(3383/HK)などが中間決算を発表する予定だ。


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