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2019/06/12 08:59

方向感を欠く展開か、中国指標の公表が気がかり 無料記事

◆12日の香港マーケットは、中国指標の発表を前に方向感を欠く展開か。
 外部環境はやや不透明。昨夜の米株市場は主要指標のNYダウが前日比0.05%安と7日ぶり、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.01%安と6日ぶりにそれぞれ反落した。NYダウはこのところの続伸で約1カ月ぶりの高値水準を回復していたこともあり、いったん利益を確定する動きが優勢となっている。中国の景気テコ入れ策を好感し、中国関連とされる建機のキャタピラーなどが買われ指数は小幅高で推移していたものの、終盤に入り売りに押された。
 米中貿易問題の警戒感もくすぶる。中国外交部は11日、「米国が貿易摩擦を激化させる動きに出れば、中国は断固として対応する」と述べた。トランプ米大統領はこれに先立つ10日、20カ国・地域(G20)首脳会合(大阪サミット)で習近平国家主席が会談に応じなかった場合、新たな対中関税「第4弾」を直ちに発動すると警告している。
 一方、11日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が2.6%高と大幅続伸。中国の景気対策が好感された。米国との貿易摩擦を背景に景気の下振れ圧力が強まるなか、中国政府は財政政策を強化する方針だ。国務院弁公庁などは10日、地方「専項債(特別債)」に関する規制緩和措置を発表。鉄道や高速道路など大型インフラ投資を後押しする。資金流入の思惑も続く。「金融当局は保険会社の株式投A資規制を緩和する方向で検討中」と報じられたことも引き続き材料視された。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として方向感を欠く展開か。中国の政策期待は根強いものの、米中通商問題の警戒感も続いている。また、今週は中国で5月経済指標の発表が相次ぐことも気がかりだ(12日に物価統計、14日に小売売上高や鉱工業生産、15日までに金融統計など)。本日の取引時間中(日本時間午前10時半ごろ)に公表される物価統計に関しては、消費者物価指数(CPI)の伸びが前年同月比2.7%(前月は同2.5%)、生産者物価指数(PPI)が同0.6%(同0.9%)で着地すると予想されている。大きく下振れることがあれば、売り材料として意識される恐れもあろう。


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