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2019/11/21 09:03

売り先行か、米中協議の難航を警戒 無料記事

◆21日の香港マーケットは、米中通商協議の混迷化を不安視した売りが先行する流れか。
 外部環境はネガティブ。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが0.4%安と続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.5%安と4日ぶりに反落した。米中通商協議の難航を警戒。米メディアは20日、「第1段階」の通商合意は当初予定した内容よりも広範にわたる可能性があるとして、合意署名は来年にずれ込む見通しと報じた。中国側が追加関税の撤廃を強く要求する一方、米国側は知的財産保護などの分野で譲歩する気配はないといい、協議の行き詰まりが警戒されている。
 香港情勢を巡る米中対立も不安材料。前日に米上院を通過した「香港人権・民主主義法案」について、米下院は日本時間21日朝方に可決し、トランプ米大統領に送付した。大統領の署名を得て、同法案は成立する。中国が香港に高度の自由を保障する「一国二制度」を守っているかどうか、米政府に毎年の検証を義務付けるという内容。制度が機能していないと米国が判断すれば、貿易やビザなどの優遇措置を撤廃できる。一部のメディアは関係者の話として、「大統領は署名する意向だ」と伝えた。中国外交部は前日、法案が成立すれば報復措置をとる可能性を改めて示唆している。
 一方、20日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.8%安と3日ぶり反落。米中対立の激化が警戒された。なお、中国人民銀行(中央銀行)は朝方、実質的な政策金利の指標金利「ローンプライムレート(LPR)」(毎月1回公表)について、1年物と5年物の金利を引き下げると発表。ただ、引き下げは事前に想定されていただけに、好感する買いは限られた。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として苦戦を強いられよう。上述したように、米中対立の激化が懸念されるなかで、通商協議の先行きも不安視される状況だ。中国の政策に対する期待感はあるものの、景気減速懸念は依然としてくすぶっている。格付け会社のフィッチ・レーティングは最新リポートで、米中摩擦の影響で中国のGDP成長率は2020年に5.7%まで低下すると分析。今年の6.1%(予測)を大幅に下回るとの見通しを示した。


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