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2019/11/12 09:14

売り先行か、香港情勢の悪化と中国景気の先行き不安が重しに 無料記事

◆12日の香港マーケットは、香港情勢の悪化と中国景気の先行き不安で売られる展開か。
 外部環境に目立った手がかりはない。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前営業日比0.04%高と3日続伸する半面、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.13%安と3日ぶりに反落。墜落事故の影響で中断していた主力小型機「737MAX」の出荷再開を発表したボーイングが急伸して相場を下支えする中、NYダウは小幅ながら連日で史上最高値を更新した。ただ、全体としては、上値が重い。米中通商協議の難航が改めて意識されている。追加関税の段階的撤廃で米中は一致したと中国側が発表したことに対し、トランプ米大統領は「何も合意していない」と語った。また、通商合意は「米国にとって、適切な内容である場合のみ受け入れる」とも述べている。市場ではなお、「何らかの合意がなされる」との見方があるものの、不透明感も拭えない。
 一方、11日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が1.83%安と大幅続落。中国景気の先行き不安が高まっている。先週末に公表された10月の物価統計では、企業活動の目安となる中国生産者物価指数(PPI)が予想以上に低下し、投資家心理を冷やす一因となった(マイナスは4カ月連続)。
 香港の社会混乱も続く。週末のデモはさらに拡大し、過激化した一部のデモ隊は10日、地下鉄駅や商業施設を破壊。抗議行動はさらに続き、11日朝方にはデモ参加者2人が警察に撃たれ、うち1人は危篤状態に陥ったとも伝わった。複数の学校や銀行支店などが休校や営業休止を余儀なくされ、12日も香港大学が休校を決めるなど混乱収束のメドはたっていない。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として苦戦を強いられよう。香港情勢の悪化や、中国景気の先行きを不安視した売りが続きそうだ。前日引け後に公表された10月の中国金融統計では、人民元建て新規融資が予想以上に落ち込んでいる。指数は前日の下げ幅が大きかったこともあり、自律反発狙いの買いが入る可能性もあるが、相場を押し上げるには力不足と言えよう。


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