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2019/11/19 09:17

上値の重い展開か、米中協議の進展を見極め 無料記事

◆19日の香港マーケットは、米中通商協議の進展見極めで上値の重い展開か。
 外部環境はやや不透明。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前営業日比0.1%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.1%高とそろって連日で史上最高値を更新したものの、上値の重さも目立った。指数は安く推移する場面もみられている。米中通商協議を巡る思惑が交錯。米CNBCの記者が18日、「北京側の雰囲気は悲観的だ」と中国政府関係者の話としてツイッターに投稿した。他方、中国商務部は17日、米中両国が16日午前に閣僚級の電話協議を行ったことを発表。「『第1段階の合意』に関するそれぞれの中核的な懸念について、建設的に議論した」と説明している。
 一方、18日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.6%高と反発。米中貿易協議の進展や中国人民銀行(中央銀行)の資金供給が好感された。人民銀はこの日の朝方、7日物リバースレポを通じ市中に1800億人民元の資金を供給。レポ取引は10月25日以来、約3週ぶりとなった。金利も4年以上ぶりに引き下げ(2.55→2.50%)たことで、金融緩和への思惑が広がっている。最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」はあす20日に発表される予定。LPR引き下げの思惑も流れている。
 他方、香港の社会混乱に収束の兆しはみられない。香港理工大学やその周辺では、警察と反政府派のにらみ合いが続き、多数の負傷者が出ている。また、香港の高等法院(高等裁判所)は18日、デモ参加者がマスクやヘルメットを着用することを禁じる「覆面禁止法」について、憲法に当たる「香港基本法」に違反しているとの判断を示した。香港政府にとって痛手となる。さらには、ポンペオ米国務長官が18日、香港情勢に深い懸念を示すなど、米中の対立も警戒される状況だ。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。米中通商協議の不透明感が意識されるなか、進展を見極めたいとするスタンスが強まりそうだ。また香港では区議会(地方議会)選挙(24日投票)が間近に迫っていることもあり、反政府行動の激化に対する警戒感も相場の足かせとなろう。


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