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2019/08/30 09:07

米中協議の進展期待で買い先行か、香港情勢の不透明感で上値の重さも 無料記事

◆30日の香港マーケットは、米中通商協議の進展期待で買いが先行しそうだが、香港情勢の不透明感で上値は限定的か。
 外部環境はポジティブ。昨夜の米株市場は主要指標のNYダウが前日比1.3%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.5%高とそろって続伸した。NYダウは約3週ぶりの高値水準を回復する。米中貿易問題の不透明感がやや薄らいだ。中国商務部は29日、「通商問題を話し合うため、中国側は9月の米国訪問を検討している」と発表。また、トランプ米大統領が先週発表した対中関税の税率引き上げに対し、中国は報復措置をいったん見送ることも示唆した。トランプ大統領は同日、詳細は明らかにしなかったものの、「米中は今日、今までと違うレベルでの協議を再開する」と語っている。建機のキャタピラーやスポーツ用品のナイキ、半導体各社など、中国関連とされる銘柄群が軒並み上昇した。
 一方、29日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.1%安と続落。取引時間中の人民元安が嫌気された。中国人民銀行(中央銀行)はこの日の朝方、人民元の対米ドル基準値を3日連続で元安水準に設定(約11年5カ月ぶりの元安水準)。上海外国為替市場の対米ドル相場は、前日に続き元安方向で推移した。なお、商務部の会見が行われたのは本土マーケットの引け後。夜間の人民元相場では、元安の動きが一服している。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりとした展開か。上述したように、米中通商協議の進展期待がプラス材料だ。ただ、協議再開が確定したわけではなく、米中動向のヘッドラインに相場が左右されることもあろう。また、香港に関しては、31日に大規模な反政府デモが予定されていることも気がかり。警察当局は29日、民主派団体が申請したデモ行進を許可しないと決定したが、民主派などは強行する姿勢を示している。
 なお、香港では主要企業の決算発表が今週末で終了する。本日は、中国農業銀行(1288/HK)や中国銀行(3988/HK)、中国民生銀行(1988/HK)、中銀香港(2388/HK)、海通証券(6837/HK)、招商局港口HD(144/HK)、鞍鋼(347/HK)、中国中鉄(390/HK)、中国東方航空(670/HK)、大唐国際発電(991/HK)、東方電気(1072/HK)、中聯重科(1157/HK)、エン州煤業(1171/HK)、中国鉄建(1186/HK)、中国冶金科工(1618/HK)、中国交通建設(1800/HK)、中遠海運HD(1919/HK)、広州汽車集団(2238/HK)、上海電気集団(2727/HK)、中遠海運発展(2866/HK)などが中間決算を報告する予定だ。昨日引け後に公表された主な決算では、中国工商銀行(1398/HK)が5%増益、広発証券(1776/HK)が45%増益、中国石油天然気(ペトロチャイナ:857/HK)が4%増益、中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が19%増益、信和置業(サイノランド:83/HK)が51%減益、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が62%減益などとなっている。


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