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2019/12/03 09:07

上値の重い展開か、米中協議の不透明感くすぶる 無料記事

◆3日の香港マーケットは、米中通商協議の不透明感で上値の重い展開か。
 外部環境はネガティブ。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前営業日比1.0%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.1%安とそろって続落した。米景気指標の悪化を嫌気。米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した11月の製造業景況感指数(PMI)は48.1となり、予想に反し前月から低下した。景況判断の境目となる50を4カ月連続で下回っている。また、新規受注は前月の49.1から47.2に大きく低下。米景気の拡大基調が終焉を迎えるとの不安も一部で広がった。
 一方、2日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.1%高と4日ぶりに反発。中国企業の景況感改善が追い風となった。先週末に公表された11月の中国製造業PMI(国家統計局などが集計)は予想以上に上向き、7カ月ぶりに景況判断の境目となる50を上回っている。ただ、米中通商協議の難航が意識されるなかで上値は限定的。中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報は2日、元商務部副部長の話として、「2020年1月25日の春節(旧正月)までに通商協議『第一段階の合意』が期待されるが、米国による発動済み関税の引き下げが条件となる」と伝えた。
 米中協議を巡っては、ロス米商務長官が2日、約1560億米ドル相当の中国製品に15%の追加関税を課す期限の15日までに通商合意できなかった場合、「トランプ米大統領は追加関税の発動に踏み切る」と発言している。他方、米国が「香港人権・民主主義法」を成立させたことに反発し、中国は2日、米国に初の報復措置を打ち出した。米海軍艦船の香港寄港を停止するほか、米国の非政府組織(NGO)の一部を制裁対象とする。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。中国企業の景況感改善は引き続きプラス材料として意識される可能性はあるものの、米中通商協議の不透明感が投資家心理の重しとなろう。協議に関係するヘッドラインに左右される展開が続きそうだ。


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