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2019/08/21 09:00

売り先行か、内外環境に不透明感 無料記事

◆21日の香港マーケットは、内外情勢の不透明感で売られる展開か。
 外部環境はややネガティブ。昨夜の米株市場は主要指標のNYダウが前日比0.7%安と4日ぶり、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.7%安と3日ぶりにそれぞれ反落した。イタリアの政局不安を嫌気し、欧州市場で主要株価指標が軒並み下落した流れを継いでいる。コンテ伊首相は20日に議会で演説し、連立与党内で対立が激化しているとして辞意を表明した。米中貿易問題の不透明感もくすぶる。ポンペオ米国務長官は20日、中国通信機器メーカーの華為技術(ファーウェイ)以外にも国家安全保障に脅威を与える中国企業があると発言した。このほか、10年債利回りが再び低下したことも逆風。利ザヤ悪化の警戒感で、銀行株に売りが先行している。また今週は、21日に米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(7月開催分)が公開されるほか、23日にはパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が講演する予定。金融政策の手がかりを得たいとする見方が広がり、買い手控え要因として意識された。
 一方、20日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.1%安と反落。金利低下のマイナス面が強調され、金融株が売りに押された。中国人民銀行(中央銀行)が金利改革の一環としてこの日公表した新たな指標金利は、前日と比較して0.06ポイント低下。銀行にとって、利ザヤ悪化の不安が広がった格好だ。もっとも、中国の景気テコ入れ策に対する期待感が根強く、下値は限定的。20日付の外電は関係者の話として、「中国当局は地方政府によるインフラ投資を目的とした特別債の発行枠について、増額の容認を検討中」と報じた。
 香港情勢を巡る警戒感も続く。香港政府トップの林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は20日、抗議行動を続ける民主派に対話を呼びかけたものの、民主派側は即座に拒否した。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。当局の景気テコ入れ期待は根強いものの、上述したように、内外環境の不透明感が強まっている。人民銀が連日で、人民元レートの対米ドル基準値を元安方向に設定していることもマイナス材料だ。目先はやはり、業績動向に着目した物色となろう。香港では本日、吉利汽車HD(175/HK)や比亜迪(1211/HK)、恒基兆業地産(12/HK)、東亜銀行(23/HK)、中国広核電力(1816/HK)、中海油田服務(2883/HK)、雅居楽集団HD(3383/HK)、あす22日は、碧桂園HD(2007/HK)や保利置業集団(119/HK)、中国海外発展(688/HK)、広州富力地産(2777/HK)、中国電信(728/HK)、安徽海螺水泥(914/HK)、恒安国際集団(1044/HK)、中国電力国際発展(2380/HK)、中国人寿保険(2628/HK)、百盛商業集団(3368/HK)、中信証券(6030/HK)などが中間決算を発表する予定だ。


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