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2019/10/18 08:57

米株高で買い先行か、中国GDPなどは波乱要因にも 無料記事

◆18日の香港マーケットは、米株高を支えに買い先行しそうだが、中国の経済指標が波乱要因となる可能性もあろう。
 外部環境は安定しつつある。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.1%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.4%高とそろって反発した。機関投資家がベンチマークとして重要視するS&P500種指数は0.3%上昇し、史上最高値に迫っている。主要企業の7〜9月期決算報告が進むなか、業績改善を手がかりにした物色が強まる流れ。決算が上振れした金融大手モルガン・スタンレーや建機大手ハネウエル・インターナショナルが上昇し、同業他社株にも買いが波及した。また、欧州連合(EU)が英国のEU離脱案に合意し、「合意なき離脱」による欧州混乱の警戒感が和らいだことも買い安心感につながっている。
 米中通商交渉の不透明感もやや後退。中国商務部の高峰報道官は17日の定例記者会見で、「中国は米側と署名文書の作成を進めている。米農産品の購入も続けている」と説明した。また、クドロー米国家経済会議(NEC)委員長は「米中通商合意に向けた動きには勢いがあり、それほど悲観的になるべきではない」と述べている。
 一方、17日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.1%安と小幅ながら3日続落。中国の指標発表を前に買いが手控えられた。中国では18日(日本時間午前11時ごろ)、第3四半期GDP成長率と9月の各種経済指標(小売売上高や鉱工業生産など)がまとめて発表される。結果を見極めたいとするスタンスが強まった。もっとも、下値は限定的。中国の景気対策に対する期待感が根強いなか、指数はプラス圏で推移する場面もみられた。
 注目の中国GDP成長率は、前四半期(6.2%)をやや下回る前年同期比6.1%との見方がコンセンサス。他方、小売売上高と鉱工業生産は前月から改善すると予想されている。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として方向感を欠く展開か。外部環境の安定を支えに買い先行しそうだが、中国指標の発表が気がかりだ。予想を大きく下回ることがあれば、売り材料として意識されることもあろう。


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