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2020/07/31 09:18

方向感を欠く展開か、好悪材料入り混じる 無料記事

◆31日の香港マーケットは、好材料と悪材料の綱引きで方向感を欠く展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境には好悪材料が入り混じる。昨夜の米株市場は、全体としてまちまちの展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.9%安(一時2.1%安)と反落する一方、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.4%高と続伸。経済指標悪化やトランプ大統領発言が嫌気される半面、主力ハイテク企業の業績期待が高まったことはプラス材料となっている。この日公表された4〜6月の米GDP成長率はマイナス32.9%に落ち込み、四半期ごとの統計算出を開始した1947年以降で最低水準を記録した。また、トランプ氏は自身のツイッターで、2020年の大統領選を延期することに言及。政局の混迷化も危惧された。
 他方、主要企業の四半期決算発表が佳境を迎えるなか、「GAFA」と呼ばれる主力IT関連企業の業績期待は根強い。アルファベット(グーグルの持株会社)、アップル、フェイスブック、アマゾンが引け後に報告した決算内容は、いずれもアナリスト予想を上回った。これら4銘柄は、時間外取引でそろって急伸している。
 一方、30日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.2%安と4日ぶり反落。新型コロナウイルスの感染再拡大が警戒された。中国国家衛生健康委員会は30日、中国本土で29日に新型コロナ新規感染者が105人確認されたと発表。28日の新規感染者は101人となっており、連日で100人超の感染が報告されるのは約3カ月半ぶりだ。また、香港では感染拡大に歯止めがかからず、米国でも感染者数が高止まりしている。新型コロナの感染再拡大が世界経済回復の足かせになると不安視された。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として方向感を欠く展開か。香港GDPの縮小に続き、世界経済をけん引する米国のGDPが大幅に悪化したことはマイナスとなるが、米ハイテク企業の好決算はプラス材料だ。また、中国の政策期待も強まる状況。中国国営メディアが30日に報じたところによれば、習近平国家主席は「内需と経済を刺激する改革推進に力を入れる」よう呼びかけた。
 なお本日は朝方に(日本時間10時ごろ)、今年7月の中国製造業PMI(国家統計局などが集計)が発表される予定。事前のコンセンサス予想では、前月の50.9をやや下回る50.8で着地するとみられている。




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