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2019/05/31 08:57

神経質な値動きか、中国PMIを注視 無料記事

◆31日の香港マーケットは、中国製造業PMIを気にしながらの展開か。
 外部環境には不透明感がくすぶる。昨夜の米株市場は主要指標のNYダウが前日比0.2%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.3%高とそろって3日ぶりに反発したが上値は重い。NYダウは直近の下落ピッチが速く、足元では約3カ月半ぶりの安値を付けていたこともあり、自律反発狙いの買いが先行した。ただ、米中貿易戦争の警戒感は根強く、指数は安く推移する場面もみられている。「中国は米国産大豆の購入を保留している」とする関係者の話が伝わった。また、中国外交部の張漢暉次官は30日、米国の通商スタンスについて「経済テロリズムだ」と述べた。
 一方、30日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.3%安と5日ぶりに反落。前日まで4連騰した反動で、ひとまず売りが先行した。中でも、29日に急伸した保険株が売りに押される展開。前日の相場では、税務当局が保険各社に対し、税控除の拡大措置を通達したことを好感し軒並み急伸していた。ただ、全般に大きく売り込む動きはみられない。米中貿易摩擦の激化による景気悪化を避けるため、中国当局はさらなる景気刺激策を打ち出すとの観測が引き続き支えだ。指数は終盤に入り下げ幅を縮小させている。
 なお、本日朝方(日本時間10時ごろ)に発表される5月の中国製造業PMI(国家統計局などが集計・発表)に関しては、直前の市場コンセンサス予想が49.9と前月(50.1)に比べて低下する見込み。景況判断の境目となる50を再び割り込むことになる。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは中国指標をにらみながらの展開か。これまでに公表された4月の経済指標では、予想以上に景気が減速した実態が明らかになっている。PMIが大きく下振れた場合、売り材料として意識されよう。ただ逆に、景気テコ入れの期待が強まる可能性もあり、下値は限定的となる可能性もある。


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