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2019/11/08 09:08

しっかりか、米中通商協議に期待感 無料記事

◆8日の香港マーケットは、米中通商協議の進展期待でしっかりとした展開か。
 外部環境はポジティブ。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.6%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.3%高とそろって反発した。NYダウは史上最高値を再び更新している。中国商務部は7日午後、「中国と米国の両国政府は、追加関税を段階的に相互撤廃する方針で一致した」と報道。米中貿易摩擦の警戒感が後退し、投資家のリスク選好が高まった。建機のキャタピラーなど、中国関連とされる銘柄群に買いが先行している。ただ、取引終盤には通商交渉を巡る報道が交錯し、指数は上げ幅を削った。ロイター通信は関係者の話として、「対中関税の撤廃に関しては、米政権内部で強い反発がある」と報道。他方、クドロー米国家経済会議(NEC)委員長は、「第1段階」の通商合意が得られた場合、関税の譲許(一定率以上の関税をかけないとする約束)もあるだろうとメディアインタビューで語った。
 一方、7日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.12ポイント高と小反発。海外マネーの流入期待が相場を支えた。株価指数を開発・算出するMSCIは今月26日、グローバル株価指数のA株組み入れ比率を再度引き上げる。MSCIはこれに先立つ8日、組み入れ銘柄など詳細を発表する予定だ。一部のブローカーによれば、新規の流入金額は400億米ドルに達するという。
 なお、中国では来週にかけて、10月経済指標の発表が相次ぐ予定(8日に貿易統計、9日に物価統計、14日に小売売上高や鉱工業生産、15日までに金融統計など)。本日公表される貿易統計に関しては、人民元ベースの輸入が前年同月比5.4%減(前月は6.2%減)、輸出が同1.4%減(同0.7%減)で着地すると予想されている。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりとした展開となろう。上述したように、通商交渉を巡る報道にはやや不透明感が漂うものの、協議が進展しているとの見方は強まっている。また、対米ドルの人民元相場が約3カ月ぶりの元高水準で推移していることもプラス材料だ。


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