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2019/11/28 09:07

神経質な値動きか、米中対立に警戒感 無料記事

◆28日の香港マーケットは、米中対立の警戒感で神経質な値動きか。
 外部環境には好悪材料が入り混じる。まず、米景気懸念の後退はプラスだ。米商務省が発表した7〜9月期のGDP改定値は、10月末に公表された速報値から上方修正され、市場予想を上回っている。また、10月の耐久財受注額は予想に反して増加した。今週29日の「ブラックフライデー(すべての小売店が黒字になるという感謝祭期間の金曜日)」に対する期待感も持続し、米株市場では主要指数が堅調に推移。主要指標のNYダウが前日比0.2%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.7%高とそろって3日続伸した。いずれも史上最高値を連日で更新している。
 半面、米中対立の警戒感は高まる状況。トランプ米大統領は日本時間28日朝、「香港人権・民主主義法」に署名し、同法は成立した。中国が香港に高度の自由を保障する「一国二制度」を守っているかどうか、米政府に毎年の検証を義務付けるという内容。制度が機能していないと米国が判断すれば、貿易やビザなどに関する香港への優遇措置を撤廃できる。中国側は、再三にわたり、同法が成立すれば報復措置を導入する方針を示唆。中国が反発するのは確実だ。グローベックスのNYダウ先物は下げ幅を拡大している。
 一方、27日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.1%安と3日ぶり反落。国内景気の先行き不安が強まった。全国工業企業の利益総額は今年10月、前年同月比で9.9%減少し、下げが一段と加速している。目先の好材料出尽くし感も高まる状況。株価指数を開発・算出するMSCIは26日引け後、グローバル株価指数のA株組み入れ比率を再度引き上げた(15→20%)。足元では海外マネーの流入を囃して買われていた局面もあっただけに、目先の利食い売りもみられている。
 香港では、激しい抗議活動の影響で通行止めとなっていた「香港海底トンネル(クロスハーバートンネル)」が27日に通行を再開。「香港の社会情勢がひとまず落ち着きを見せた」との見方が広がっている。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。香港情勢の落ち着きなどはプラス材料となるものの、米中対立激化の警戒感がマイナス材料だ。米中通商協議の進展は伝わっているが、両国の関係が悪化すれば、交渉の長期化は避けられないだろう。


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