/ 詳細
検索 (期間指定)
期間
亜州リサーチFacebook公式ページ 亜州リサーチYoutube公式チャンネル

2019/06/17 09:03

上値の重い展開か、米中貿易問題が依然不透明 無料記事

◆週明け17日の香港マーケットは、米中貿易問題の不透明感で上値の重い展開か。
 外部環境はややネガティブ。先週末の米株市場は主要指標のNYダウが前日比0.1%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.5%安とそろって反落した。一部ハイテク企業による売り上げ見通しの下方修正が逆風。半導体大手のブロードコムは13日、米中貿易摩擦や華為技術(ファーウェイ)に対する輸出規制を背景に通年の売上高見通しを引き下げた。同社株は急落し、他の半導体関連株にも売りが波及している。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は2.6%安と急反落し、他の指数をアンダーパフォームした。ただ、良好な経済指標を受け、NYダウの下値は堅い。5月の米鉱工業生産は予想を上回る伸びとなり、6月のミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)は前月から低下したものの予想を上回った。
 米中通商問題に関しては、ロス米商務長官が16日、月末に開催される20カ国・地域(G20)首脳会合(大阪サミット)に合わせトランプ大統領と習近平国家主席が会談したとしても、「重要な通商合意は得られない」と述べている。
 一方、14日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が1.0%安と反落。米中貿易問題の不透明感が意識された。クドロー米国家経済会議(NEC)委員長は、「G20で米中首脳会談が実現しない場合、(中国は)重大な結果に直面する可能性がある」と発言している。中国商務部の報道官は13日の定例記者会見で、「米中首脳会談について新たな情報はない」と述べた。
 なお、本土市場の取引終了後に公表された今年5月の中国経済統計は、小売売上高が上振れる一方、鉱工業生産が下振れるなどまちまちの内容となっている。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。米中通商問題を巡る不安がくすぶっている。米国は追加関税を設定されていない中国製品の残りすべて(3000億米ドル超相当)に追加関税を直ちに課す計画に関し、公聴会を17日から開く。早ければ7月2日にも実施される可能性があると伝わった。また香港では、中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案を巡り、昨日(16日)に過去最大の反対デモが実施された。香港政府は改正案審議の先送りを発表したが、社会混乱の警戒感は依然として続いている。


内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース同じカテゴリーのニュース