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2019/08/08 09:05

下値を固める展開か、米中協議の再開期待が支えに 無料記事

◆8日の香港マーケットは、米中協議の再開期待を支えに下値を固める展開か。
 外部環境はそれほど悪くない。昨夜の米株市場は主要指標のNYダウが前日比0.1%安と反落したものの、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.4%高と続伸した。欧米の長期金利が大幅に低下するなか、利ザヤ縮小の懸念で金融株が売られ相場の重しとなっている。インドやタイ、ニュージーランドが7日、一斉に利下げを決定。世界的に緩和競争が激化するとの思惑で、英独米など主要国の長期国債利回りが軒並み急低下した。また、世界経済の先行き不安を背景に、安全資産とされる国債や金が選好されたことも株式相場の逆風となっている。ただ、売り一巡後は見直し買いも入り、引けにかけて急速に下げ幅を縮小させた(NYダウは一時2.3%安)。
 米中貿易問題に対する警戒感もやや薄らぐ。香港の英字紙は7日、「米中両国の交渉担当者は依然として、9月にワシントンで貿易協議に臨む見込み」と報道。その準備のため、近くビデオ会議が実施されると伝えた。クドロー米国家経済会議(NEC)委員長はこれに先立つ6日、「ワシントンで予定している9月の貿易協議に関して、準備を進めている」とインタビューに答えている。
 一方、7日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.3%安と6日続落。約5カ月半ぶりの安値水準を切り下げた。米中対立の懸念が引き続き相場の重しとなっている。米財務省は5日、経済制裁対象の「為替操作国」に中国を指定した。中国人民銀行(中央銀行)は7日朝方、人民元の対米ドル基準値を1米ドル=6.9996人民元と2008年5月以来の元安水準に設定。この日の上海外国為替市場では、人民元相場が再び元安で推移している。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは下値を固める展開となろう。人民元相場の動向は気がかり材料だが、米中協議の再開期待が相場の支えとなりそうだ。
 なお本日は、取引時間中に7月の中国貿易統計が発表される予定。事前予想では、人民元ベースの輸入が前年同月比3.3%減(前月は0.4%減)、輸出が同7.0%増(同6.1%増)で着地するとみられている。


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