◆14日の香港マーケットは、対中制裁関税「第4弾」発動の一部先送りが好感される流れか。
　外部環境はポジティブ。昨夜の米株市場は主要指標のNYダウが前日比1.4％高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が2.0％高とそろって3日ぶりに反発した。米中貿易摩擦の過度な警戒感が後退。米通商代表部（USTR）は13日、中国からの輸入品3000億米ドル分に10％の追加関税を課す制裁措置「第4弾」を9月1日付で発動することに関し、スマートフォンやノートパソコン、ゲーム機、玩具、一部の衣料品などの課税を12月15日に延期すると発表した。また、中国商務部は13日、劉鶴副首相がライトハイザーUSTR代表、ムニューシン米財務長官らと通商問題で電話協議したことを明らかにしている。トランプ米大統領は電話協議について、「非常に生産的だった」と述べた。電話協議は今後2週間以内に、再度実施される予定となっている。
　一方、13日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.6％安と反落。中国指標の下振れが嫌気された。12日引け後に公表された7月の金融統計では、人民元建て新規融資額が予想以上に前月から縮小。内需の弱さが意識されている。人民元安の進行もマイナス。取引時間中の上海外国為替市場では、人民元が対米ドルで約11年5カ月ぶりの元安水準で推移した。
　なお本日は、取引時間中（日本時間11時ごろ）に、今年7月の各種経済指標（小売売上高や鉱工業生産、固定資産投資など）が公表される。事前のコンセンサス予想では、鉱工業生産や小売売上高の伸びが前月実績から減速するとの見込みだ。また香港では、騰訊HD（テンセント・ホールディングス：700/HK）や香港交易所（388/HK）などが本日中に中間決算を報告する。
　こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは買い戻しが先行する流れとなろう。上述したように、対中制裁関税「第4弾」発動の一部先送りが材料視されよう。昨夜のオフショア外国為替市場で、対米ドルの人民元相場が一気に元高方向へと動いたこともプラス材料だ。
　ただ、香港では社会混乱の懸念が依然としてくすぶる状況。中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案に端を発した反対派の抗議行動はエスカレートし、香港国際空港では13日夕方、抗議行動参加者と警察が激しく衝突した。


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