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2019/10/25 09:02

しっかりか、企業決算に期待感 無料記事

◆25日の香港マーケットは、業績期待の買いが相場を支える展開か。 
 外部環境は中立。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.1%安と反落する一方、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.8%高と続伸した。主要企業の7〜9月期決算発表が進むなか、業績動向による売買が目立っている。決算が予想に反して減収となった事務用品のスリーエム(3M)が急落し、NYダウの重しとなった。半面、IT大手のマイクロソフトは予想を上回る増収増益を達成して急伸。ハイテク株全体をけん引し、相場を下支えした。
 注目されていたペンス米副大統領の講演に関しては、市場で不安視されていたほど過激なものではなかったとの見方が優勢だ。ペンス氏は香港の民主化デモを巡る中国の対応などを批判する一方で、「中国との対決を求めていない」とし、米中両国は関係を強化する必要があるとの認識を示した。対中強硬派として知られるペンス氏は昨年10月の講演で、中国の内政と外交を全面的に批判。中国側が猛反発し、米中対立が激化した経緯があった。
 一方、24日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.02%安と小幅ながら続落。緩和期待の後退が引き続きネガティブ材料となった。インフレ圧力の高まりを背景に、中国の金融当局は積極的な緩和策を打ち出しにくくなる――との見方が流れている。もっとも、下値は限定的。主要企業の四半期決算発表が本格化するなかで、好業績に期待した買いが目立っている。指数はプラス圏で推移する場面もあった。
 なお、国営メディアは24日、中国共産党の重要会議「第19期中央委員会第4回全体会議(4中全会)」が来週28〜31日に開催されると報道。ただ、経済問題が討議内容に含まれるかには言及されなかった。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として底堅く推移か。ペンス米副大統領の講演に対する中国の反応は気がかりだが、ひとまず無難に通過したことで、それほど悪材料となることはないだろう。市場では決算動向に着目した選別物色が強まっている。香港では本日(25日)、中国工商銀行(1398/HK)や中国農業銀行(1288/HK)、交通銀行(3328/HK)、国薬HD(1099/HK)、エン州煤業(1171/HK)、華潤水泥HD(1313/HK)、長城汽車(2333/HK)などが四半期決算を報告する予定だ。なお、昨日引け後に報告された決算では、中国平安保険(2318/HK)が7〜9月期に50%増益という結果。ブローカー各社は総じて強気な株価見通しを示している(クレディ・スイスが109.00香港ドル、JPモルガンが130.00香港ドルなど。24日終値は94.55香港ドル)。


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