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2019/07/11 08:54

買い先行か、米大幅利下げの期待感と原油相場の上昇が追い風に 無料記事

◆11日の香港マーケットは、米大幅利下げの期待感と原油相場の上昇を追い風に買われる展開か。
 外部環境はポジティブ。昨夜の米株市場は主要指標のNYダウが前日比0.3%高と4日ぶりに反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.8%高と続伸した。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長発言で大幅利下げの期待が再び浮上する。パウエル議長の議会証言では、貿易摩擦の不透明感や世界経済の先行き不安が続いているとして、より緩和的な金融政策を打ち出す方針が示唆された。一部のエコノミストは、「今月30〜31日に開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、利下げ幅が0.25ポイントを超える0.5ポイントになる可能性もある」との見方を示している。この日は原油相場の上昇も材料視された。WTI原油先物は4.5%高と続伸し、約1カ月ぶりの高値を回復。エネルギー関連株が急伸した。
 一方、10日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.4%安と3日続落。約3週ぶりの安値水準を切り下げた。株式需給の悪化を警戒した売りが続く。22日に取引がスタートするハイテク・スタートアップ企業向け株式市場「科創板」では、25社が新規株式公開(IPO)し、調達額は計310億8900万人民元(約4890億円)に上る見込み。2018年A株IPO調達総額の23%に相当する規模となる。また、朝方公表された6月の中国物価統計では、消費者物価指数(CPI)の上昇率が前月並みとなる一方、生産者物価指数(PPI)は横ばいの0.0%だった。PPIは予想に届かず、一部からはデフレ懸念の再燃を警戒する声も聞かれている。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりとした展開か。上述したように、米大幅利下げの期待感と原油相場の上昇が好感されそうだ。また、本土市場では需給悪化の警戒感がくすぶるものの、徐々に織り込んでくると予想する。なお、中国では明日以降も6月経済統計の発表が続く予定だ(12日に貿易統計、15日に小売売上高や鉱工業生産、四半期GDP、15日までに金融統計など)。


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