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2020/09/21 09:07

方向感を欠く展開か、米中関係に不透明感 無料記事

◆週明け21日の香港マーケットは、米中関係の不透明感がくすぶるなかで方向感を欠く展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はややネガティブ。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.9%安と続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.1%安と3日続落した。追加経済対策の遅れを懸念した売りが続く。追加の経済対策に関しては、超党派が妥協案を提示したにもかかわらず、与野党の主流派が応じる気配はない。成立が遅れた場合、年後半以降の景気が下押しする恐れもある。
 他方、中国IT大手の北京字節跳動科技(バイトダンス)が運営するショート動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国事業については、トランプ米大統領が19日、ソフトウエア世界大手のオラクルによる提携案を認めた。米商務省は同日、TikTokのダウンロード禁止措置の発動を延期すると発表している。中国アプリを巡る米中対立がやや和らぐ可能性もありそうだ。日本時間21日朝方、時間外取引のダウ先物は反発している。
 一方、18日の本土株市場は、主要指標の上海総合指数が2.1%高と3日ぶりに反発。9月4日以来、2週ぶりの高値水準を回復している。通貨高のプラス面がクローズアップされた。中国人民銀行(中央銀行)は朝方、人民元レートの対米ドル基準値を5日連続で元高方向に設定。上海外国為替市場では、およそ1年4カ月ぶりの元高水準で推移した。海外マネーの流入が加速しているとの見方が広がっている。また、中国・香港間の相互取引スキームを通じた前場の売買では、香港経由の本土株売買が再び大幅な買い越しに転じたことが判明。指数は後場に入り、上げ幅を拡大した。
 なお本日は、中国人民銀行(中央銀行)が事実上の貸出基準金利「ローンプライムレート(LPR)」を発表する(月に一度、原則20日に公表)。8月まで4カ月連続で据え置かれている。今回に関しても据え置きが濃厚だ。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として方向感を欠く展開か。中国アプリを巡る懸念が後退しつつあるものの、米中対立の警戒感は依然として続いている。中国商務部は19日、中国の主権侵害や中国企業の利益を損なう外国企業をリスト化し、活動を制限する新たな制度を即日施行した。


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