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2019/12/02 09:00

方向感を欠く展開か、好悪材料が入り混じる 無料記事

◆週明け2日の香港マーケットは、好悪材料が入り混じるなかで方向感を欠く展開か。
 外部環境はやや不透明。感謝祭の休場明けで短縮取引となった先週末の米株市場では、主要指標のNYダウが前営業日比0.4%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.5%安とそろって反落した。「香港人権・民主主義法」が成立したことで、米中関係に対する影響を見極めたいとするスタンスが強まる展開。建機のキャタピラーや事務用品のスリーエム(3M)など、中国関連とされる銘柄群の下げが目立っている。指数は史上最高値圏で推移していることもあり、利食い売りも出やすかった。ただ、年末商戦に対する期待感は根強く、ウォルマートなど小売関連の銘柄は物色された。なお、11月29日の「ブラックフライデー(すべての小売店が黒字になるという感謝祭機関の金曜日)」では、オンライン売上高が過去最高を記録したと伝わっている。
 一方、11月29日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.6%安と3日続落。投資家の慎重姿勢が続いた。「香港人権・民主主義法」を巡っては、米中協議進展に影響を及ぼすとの見方が広がっている。「中国は対米報復措置を当面実施しない」との見通しはあるが、投資家の不安は払しょくされていない。また、中国人民銀行(中央銀行)の資金吸収もマイナス。人民銀は29日、リバースレポ取引を8営業日連続で見送った。この週は期日到来分の3000億人民元(約4兆6730億円)を市中から吸収している。
 ただ、中国の景況感は改善。中国国家統計局と中国物流購入連合会は30日、11月の製造業購買担当者景気指数(PMI)が50.2だったと発表した。予想以上に改善し、景況判断の境目となる50を7カ月ぶりに上回っている。
 他方、香港情勢の混迷化は警戒される状況。香港では週末の1日、区議会(地方議会)選挙後で初めての大規模な反政府デモが行われた。警察は過激化した一部参加者に向けて催涙弾を発射。抗議行動が活発化するとの観測も流れた。選挙では政府に批判的な民主派が圧勝したものの、香港政府トップの林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は、デモ参加者が掲げる「5つの要求」については「すでに回答済み」と述べ、民主派に譲歩しない姿勢を示している。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として方向感を欠く展開か。上述したように、好悪材料が交錯している状況だ。米国が予定している15日の追加関税発動が迫る中、投資家の慎重スタンスも一段と強まろう。


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