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2019/08/06 09:04

下値を探る展開か、米中対立激化を不安視 無料記事

◆6日の香港マーケットは、米中対立の激化を不安視した売りが先行する流れか。
 外部環境はネガティブ。昨夜の米株市場は主要指標のNYダウが前営業日比2.9%安と5日続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が3.5%安と6日続落した。NYダウの下げ幅は767米ドルに達し、今年最大を記録している。米中対立の激化を警戒し、投資家のリスク回避スタンスが鮮明化。トランプ米大統領は5日朝、「中国は人民元安に誘導している。為替操作だ」と中国を非難した。中国人民銀行(中央銀行)が5日、人民元の対米ドル基準値を約8カ月ぶりの安値水準に設定するなか、上海外国為替市場では人民元が対米ドルで約11年ぶりの安値を付けている(オフショア人民元は過去最安値)。また、米政権が対中制裁関税「第4弾」を発動すると表明したことに対抗し、中国商務部は6日未明(現地時間)、米農産品の購入を一時停止すると発表した。米株市場の不安心理を表すVIX(20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」)は、前日比でプラス39.64%の24.59ポイントに急上昇し、再び20を上回っている。
 なお、米財務省は現地時間5日、経済制裁の対象となる「為替操作国」に中国を指定したと発表した。グローベックスのダウ先物は、下げ幅を一段と加速させている。
 一方、5日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が1.6%安と4日続落。約5カ月半ぶりの安値水準を切り下げている。人民元安の進行で投資家心理が悪化した。米中の貿易摩擦がさらに激化するとの懸念から、人民元の先安感が強まっている。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは下値を探る展開となろう。上述したように、米中対立の激化が不安視される状況だ。また、香港に関しては、中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案に端を発した社会混乱も危惧されている。さらに、河北省の保養地、北戴河で習近平国家主席など現役最高指導部が長老らと非公式に意見を交わす「北戴河会議」が3日にスタートしたとみられるなか、中国の政策動向も注視されよう。


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